1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

人気芸人でも敗退、M-1「番狂わせの歴史」の起源 創設者が解き明かす「裏方目線」のM-1誕生秘話

東洋経済オンライン / 2023年11月30日 11時40分

名の売れた芸人でも、M-1の予選を勝ち進むのは難しい(写真はイメージ。写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

年末恒例の漫才コンテスト、「M-1グランプリ」。このコンテストをゼロから立ち上げた元吉本興業の谷良一氏が舞台裏を書き下ろした著書『M-1はじめました。』が刊行された。

放送作家の山田美保子氏は、M-1決勝戦を会場で4回見たことがある”ギョーカイ人”だが、山田氏にとっても新しいM-1の見方を本書は教えてくれるという。

何しててもM-1が頭の片隅にある

11月26日、「ワイドナショー」(フジテレビ系)がトップで扱ったのは「M-1グランプリ2023」(テレビ朝日系)の話題だった。

【写真を見る】M-1グランプリをつくった元吉本社員がその裏側をすべて語る本

「局は違うんですけど、オズワルドがいるからやっぱりね」と始めたのはMCの東野幸治。

ゲストとして、今年のM-1で準決勝を突破したばかりのオズワルド・伊藤俊介が来ていたからだ。

「この時期はM-1のことがつねに頭のどっかにあるってカンジですか?」との東野の問いに「何してても頭の片隅にありますよね」と伊藤。

「名前のある人が、けっこう(準決勝で)落ちてる……」と同番組で指摘したのは、M-1決勝戦のMCでもある今田耕司だ。

「若い人が出てきたと感じられる。僕らはもちろん知ってますけど、皆さんご存じない芸人さんがどんどん出てきてるカンジがする」と伊藤は説明し、今田は「(彼らは)M-1対策してるもんね」と。

近年、バラエティ番組で見ない日がないようなコンビが予選で勝ち進めないのがM-1。この大会のために仕事をセーブしたり、手弁当で全国を回り、ライブをしたりして力をつけ、臨んでいるコンビもいる。

ライブと路上で力をつけたNON STYLE

それで思い出されるのは2008年に優勝したNON STYLEだ。

まだ本格的に東京進出を果たせていなかった頃のこと。筆者は大阪の読売テレビの深夜の番宣番組で彼らと数年間、共演していた。同年の夏、「M-1グランプリで優勝したいんですツアー」と銘打ち、NON STYLEは全国6都市でライブを行っていた。

NON STYLEの石田明曰く「まったく話題にならなかった」「誰も取り上げてくれなかった」。

そんなたくさんの悔しい想いを胸に臨んだM-1グランプリ。私はNON STYLEのネタのときにしか笑わないと心に決め、決勝戦の客席に座っていた。

だが、そんな無理をしなくてもいいほど、彼らの1回戦のネタの出来はすこぶる良かった。終わった瞬間、思わず、「よし!」と声を上げたところ、MCの上戸彩が「いま、ファンの方からも『よし!』という声が上がりましたね」と拾ってくれたのは最高の想い出だ。その年のM-1で、彼らは優勝した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください