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経済学とその他の社会科学の違い、言えますか? 経済学者がよく使う「合理的行動」の意味とは

東洋経済オンライン / 2023年12月4日 9時0分

経済学はミクロ経済学とマクロ経済学の2つの分野に分けられます(写真:ELUTAS/PIXTA)

経済学の分野で、革新的な業績をあげ続けているスーパースターのチームが、大学の学部生のために執筆した教科書がある。『アセモグル/レイブソン/リスト 経済学』だ(日本語版は入門経済学/ミクロ経済学/マクロ経済学の3分冊で刊行)。

一流の経済学者は、これから経済学を学ぶ初心者にどんなことを教えようとしているのか。その一部を、抜粋・編集して紹介しよう。

経済学の2つの分野

経済学はミクロ経済学とマクロ経済学の2つの分野に分けられる。

【写真を見る】経済学のスーパースターのチームが書いた経済学の教科書

ミクロ経済学は、個人、家計、企業、そして政府がどのように選択を行うかを研究する。

さらにその選択が価格、資源配分、そして別の経済主体の幸福にどう影響を及ぼすのかを研究する。

たとえば、ミクロ経済学者は公害を減らす政策を考える。

地球温暖化の原因の1つは、石炭、石油およびその他の化石燃料からの炭素の排出だ。ミクロ経済学者は、このような燃料の使用を削減する政策を設計する。

炭素排出量を対象にした「炭素税」はその一例だ。

炭素税を活用すると、化石燃料をより多く使う石炭発電のようなエネルギー源は、そうでない風力発電のようなエネルギー源に比べて、エネルギー単位当たりで高い税が課されることになる。

ミクロ経済学者は炭素税を設計する仕事や、このような税が家計や企業のエネルギーの使用にどのような影響を及ぼすのかを判断する仕事をする。

一般的には、経済全体の中の細かい部分を理解したいときには、ミクロ経済学者にお声がかかる。

マクロ経済学は経済全体を研究する学問である。

マクロ経済学者は、経済全体の現象を分析する。

経済全体の総産出量の成長率、一般物価の上昇率(インフレ率)、労働力人口の中で職を探しているが見つからない人の割合(失業率)などだ。

マクロ経済学者が考えていること

マクロ経済学者は「全体的」、別の言葉で言うと「集計された」経済のパフォーマンスを向上させる政府の政策を設計する。

マクロ経済学者はたとえば、マイナス成長が続いている経済(景気後退にある経済)を刺激するのに最善の政策は何かを考えている。

2007〜2009年の金融危機の時期には、住宅価格の暴落や銀行の破綻など、マクロ経済学者の眼前には課題が山積みになった。

経済が収縮している理由を説明し、経済が息を吹き返すような政策を提案するのが彼らの役目だった。

経済学のイメージは伝わっただろう。しかし、人類学、歴史学、政治学、心理学、社会学などのほかの社会科学とどこが違うのかという疑問を持った人もいるのではないだろうか?

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