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「利上げするの?」AI植田日銀総裁に聞いてみた AI審議委員の本音は?「隠れタカ派」をあぶり出す

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 9時0分

Q:あなたは本音ではデフレ脱却は難しいと考えていますか、教えてください。

ChatGPT(AI植田総裁)デフレ脱却は難しいと考えています。過去の経験からもわかるように、デフレからの脱却は困難な課題です。賃金の停滞や企業の価格転嫁の限定的な動きなど、デフレの要因が根強く残っているためです。また、グローバルな経済状況や地政学的リスクもデフレ脱却を困難にしています。引き続き慎重な金融政策の運営が求められます。

結果をまとめると、以下である。

  • 円安が問題となれば、賃上げ前に利上げを検討することもある
  • 副作用の状況次第では物価目標達成前にマイナス金利解除の可能性がある
  • 政府の意向は直接的には受けないが、連携や情報共有は重要
  • 過度な円安は問題であり、日銀にとっても円相場の安定を保つことは重要
  • 本音では、デフレ脱却は難しいと考えている

むろん、これらが植田総裁の本音である保証はない。ChatGPTがこれまで学習してきたデータと植田総裁の講演テキストの内容を勘案すると、このような「本音」を持っているだろう、ということ以上でも以下でもない。

しかし、いずれも「建前的」な発言よりも踏み込んだ発言であるが、外野が予想する「本音」のイメージと近いように思われる。

植田総裁以外にも、全9名の日銀政策委員の講演テキストをChatGPTに読み込ませ、それぞれ「2024年に利上げする可能性」を聞いてみた。

結果は、AI植田総裁など3名が「利上げする可能性が高い」と回答した。一方、「現在の金融政策の継続が適当」や「利上げを行う可能性は低い」といった据え置き派が4名となり僅差で優勢だった。他の2名は「判断することはできない」と回答した。

AI審議委員「隠れタカ派」7対2で利上げ

もっとも、このようなストレートな質問では「本音」を引き出せていない可能性が高い。そこで、質問に「本音」を尋ねるために、「本音では2024年に利上げする可能性が高いと思いますか」と聞き直した。

すると、AI植田総裁など7名が「利上げする可能性は高い」と回答した。2名は「利上げする可能性は低い」と回答したが、7対2で政策は変更されることになる。「隠れタカ派」は意外にも多いのかもしれない。

実際の日銀審議委員の胸の内はわからない。政策判断は機動的に行われる可能性を考慮すると、過去の講演テキストを読み込ませたAI日銀審議委員の回答は古い考えしか反映されていない可能性もある。

しかし、新しい材料について日銀審議委員の意見を聞いてみたいケースなど、AI日銀審議委員の活躍する余地はかなり大きいと筆者は考えている。

末廣 徹:大和証券 チーフエコノミスト

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