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絶対王者「N-BOX」に挑む「新型スペーシア」の勝算 フルモデルチェンジした売れ筋軽自動車を比較

東洋経済オンライン / 2023年12月21日 12時0分

対するスペーシア・シリーズでは、NA車のエンジンが変更になっており、「ハスラー」や「ワゴンR」に搭載されている次世代型パワートレインを採用。657cc・水冷直列3気筒のR06D型というエンジンは、最高出力36kW(49PS)/6500rpm、最大トルク58N・m(5.9kgf-m)/5000rpmを発揮する。また、スペーシアカスタムに設定されているターボ車では、先代と同じ658cc・水冷直列3気筒(R06A型)を搭載し、最高出力は47kW(64PS)/6000rpm、最大トルクは98N・m(10.0kgf-m)/3000rpmだ。

両モデルのターボ車について、スペックはほぼ互角といえるだろう。だが、NA車のパワーやトルクは、スペーシアよりN-BOXのほうが高い。そのため、例えば、信号待ちからの発進などでは、N-BOXのほうがよりストレスフリーな乗り味になることが予想できる。

ただし、燃費性能の面では、スペーシアのほうが優れている。それぞれのWLTCモード値を比較してみると、NA車のスペーシア・スタンダード仕様が23.9~25.1km/Lなのに対し、同じくNA車のN-BOX・スタンダード仕様は19.4~21.6km/L。また、カスタマイズ仕様車では、スペーシアカスタムがNA車で22.4~23.9km/L、ターボ車は19.8~21.9km/L。対するN-BOXカスタムでは、NA車が19.4~21.5km/Lで、ターボ車は18.4~20.3km/Lだ。

燃費の面では、全般的にスペーシア・シリーズに軍配が上がる。これは、前述のとおり、全タイプにマイルドハイブリッドシステムを採用していることが大きいのだろう。発進時や加速時などに、電動モーターがエンジンの駆動力をアシストすることで、高い燃費性能を生み出しているのだ。

また、スペーシアのNA車に搭載されているR06D型エンジンは、出力こそN-BOXのNAエンジンに劣るものの、街中でよく使う低中速の動力性能や静粛性を高めていることが特徴。マイルドハイブリッドとの相性もいいという。とくにスペーシアHYBRID Gの2WD車では、WLTCモード値25.1km/Lを実現。スズキの調査によれば、この数値は、全高1700mmを超える軽スーパーハイトワゴンのクラスでトップなのだという(2023年11月現在)。

注目のアップデート箇所について

加えて、新型スペーシアでは、新しく電動パーキングブレーキを採用したほか、停車中にブレーキペダルを踏み続けなくても停車状態を保持するオートブレーキホールドも装備する。ストップ&ゴーが続く渋滞路などで、ドライバーの疲労軽減をサポートする装備だ。N-BOXの場合、これら装備は先代モデルから採用されており、当然ながら新型にも搭載する。電動パーキングブレーキやオートブレーキホールドは、近年、N-BOXだけでなく、多くのモデルに装備されており、評判も良好だ。その意味で、新型スペーシアの新採用は、N-BOXを筆頭とするライバル車に対し、自らの弱点を補ったようなカタチだといえるだろう。

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