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クリスマスに100万台売る「ケーキ王」強さの源泉 シャトレーゼ創業会長が語る「驚きの生産現場」

東洋経済オンライン / 2023年12月21日 12時30分

一代で売上高1000億円まで成長させた、シャトレーゼ創業者の齊藤寛会長(撮影:尾形文繁)

「チョコバッキー」「北海道産バターどらやき」など、人気商品を次々と生み出すシャトレーゼ。過去5年で売上高は倍増と快進撃が続く。シャトレーゼはどのようにして「洋菓子日本一」へと上り詰めたのか。創業者であるシャトレーゼホールディングスの齊藤寛会長が、食の安全、価格の安さ、そして海外戦略について語り尽くした。

――クリスマスケーキは1シーズンで100万台売れるそうですね。単純計算だと、日本で120人に1人が食べることになります。食品業界では食中毒などの問題も起きていますが。

【データで見るシャトレーゼ】人気の「北海道バターどらやき」は年間2000万個以上も売れている

店舗が国内に810店あるので、そのくらいの量になってしまう。1年で一番忙しいのがクリスマスシーズン。工場はピーク時には24時間稼働している状態だ。

(衛生管理の厳しい)アイスクリームから始まった会社なので、衛生面は普通の同業他社とは違う。例えば生クリームは配管を使って流すなど、衛生的な観念やシステムが出来上がっている。

お客様に喜ばれる「安さ」

――洋菓子業界では、売り上げ日本一を誇っています。

圧倒的1位だ。競合はいない。不二家は山崎製パンに、銀座コージーコーナーもロッテに買収された。この業界は後継者不足から廃業や経営権譲渡などもけっこうあり、そういうときにシャトレーゼの名前がすぐ出てくる状況だ。

――順調に業績を拡大できている、一番の要因は何でしょうか。

利益を上げようとするのではなく、お客様に喜んでもらおうと思ってやってきた結果。お客様に一番喜ばれているのは安さ。コロナ禍では、今まで町に出て行って百貨店などで買っていたお客様が、家の近くにあるシャトレーゼの店で商品を買って「安いのに美味しい」と見直してくれた。

昨今は原材料費が上がっており、卵不足は本当に参った。できるだけがまんしたが、シュークリームやプリンなどの一部商品を少し値上げした。ただ、われわれは全国で展開しているので、合理化できる部分がまだたくさんある。無駄を解消するのがわれわれの仕事なのでいいチャンスだと思っている。

売れる商品は機械で量産

――卵や牛乳、水など素材にこだわっています。それでも安さを維持できる秘訣は?

生産面では製造工程の機械化・ロボット化を進めていることだ。人手より衛生的にもよく、残業代もかからない。

シャトレーゼの商品は、最初はすべて工場のパティシエ集団が手作りしている。お客様に提供してみて「これは売れる」となると機械で量産する。専用の機械は売っていないので、自分たちで考えるしかない。そのノウハウがシャトレーゼの強みだ。人と人の間に入って作業する協働ロボットなども活用し、山梨県の豊富工場ではスマート工場化を進めている。

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