信玄と家康に仕えた「大久保長安」悲惨すぎる末路 板倉勝重と同じく実力を認められたものの…
東洋経済オンライン / 2023年12月31日 7時20分
NHK大河ドラマ「どうする家康」の放送で注目を集めた「徳川家康」。長きにわたる戦乱の世に終止符を打って江戸幕府を開いた家康が、いかにして「天下人」までのぼりつめたのか。また、どのようにして盤石な政治体制を築いたのか。家康を取り巻く重要人物たちとの関係性をひもときながら「人間・徳川家康」に迫る連載『なぜ天下人になれた?「人間・徳川家康」の実像』(毎週日曜日配信)の番外編として、信玄と家康に仕えた大久保長安の半生と、悲惨な最期を紹介する。
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鉱山の直営化に尽力した大久保長安
新しい社会をつくっていくにあたって、財政の問題は避けては通れない。徳川幕府を開いた家康が、京都所司代の板倉勝重と同様にその実力を評価していたのが、行政を担った大久保長安である(板倉勝重については前回記事:『身内に甘い家康が「実力で重宝した」ある男の凄さ』を参照)
この長安への処遇からも、家康が家臣との人間関係において何を重視したかがよく理解できる。それと同時に、家臣が不正を働いたとき、どのように対応したかもこのケースからはうかがい知れる。
家康は京都、伏見、堺、奈良、伊勢山田、長崎などの主要都市に奉行を置いて、直轄化して支配を進めた。とりわけ重要な京都所司代には、奥平信昌を任命。その後、板倉勝重がその任を引き継いでいる。
それと同時に、鉱山の直轄化も推進した。佐渡金山、石見銀山、生野銀山、甲斐黒川金山、伊豆各地の金銀山などである。その経営を任されたのが、代官頭の大久保長安だった。
長安は天文14(1545)年に、猿楽師だった大蔵太夫の次男として生まれたとされている(『当代記』)。猿楽とは能と狂言で構成される現在の能楽にあたり、猿楽を演じる役者を「猿楽師」と呼んだ。
代々猿楽師を家業とする家に生まれた大久保は、父とともに甲斐国へと流れつき、武田氏と主従関係を結ぶ。長安の賢明さを見抜いた信玄によって、家臣へと取り立てられることになる。長安は、武田氏の蔵前衆として、金銀や米穀の管理を行った。
しかし、長篠の戦いで織田信長と徳川家康の連合軍に敗戦すると、武田家は衰退。天正10(1582)年に武田家は滅亡することとなる。
すると、長安は家康に見出されて、そのもとで仕えた。前回記事で紹介した板倉勝重とは、いわば同じ中途入社組ということになろう。
家康のもとで鉱山経営で頭角を現す
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