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能登で活躍「トイレトレーラー」で見た深刻な現場 上水道が止まり状況は最悪、災害関連死を防げ

東洋経済オンライン / 2024年1月10日 7時0分

大阪府箕面市のトイレトレーラー。夜間の安全を確保するために明るい(提供:助けあいジャパン)

約3万人が避難所に身を寄せる被災地・能登半島に、全国の市町のトイレトレーラーが続々と集まっている。一般社団法人・助けあいジャパンが中心になって進める「災害派遣トイレネットワークプロジェクト・みんな元気になるトイレ」による派遣で、1月9日時点で8台、今後さらに3~5台が現地入りの予定。

【写真で見る】トイレトレーラーの内部。汚れはシャワーで洗い流せ、広くて快適

被災者の健康に直結する災害時のトイレ問題。断水が続き、深刻化する水不足を連携して乗り越えようとしている。

避難所の住民はトイレトレーラーの到着を待っていた

大阪府箕面市のトイレトレーラーは、1月3日12時42分に箕面市を出発し、同日夜9時18分に石川県七尾市立中島小学校に到着した。

箕面市市民安全政策室の山田博昭さんは、箕面市道路管理室の職員と2人でトイレトレーラーを運んで行き、設置した。その後、箕面市に戻った山田さんに現地の様子を聞いた。

「皆さん、待ってらした。設置している時もずっと見てはりましたし、避難所の責任者の方に使い方を説明する間も一緒に聞いていて、すぐに使い始めました」と山田さんは話した。

学校のトイレは水が流れないので、トイレトレーラーをどのように使っていくか、住民たちで話し合っているようだったという。「大はこっち(トイレトレーラー)にしよう、小は学校のトイレにしよう、というようなことを決められているんじゃないかと思います」(山田さん)。

トイレトレーラーの給水タンクには約400リットル以上の水が入り、汚水タンクがいっぱいになるまでに約1250回の使用が可能という。設置場所の状況により異なるが、汚物はまとめてバキュームで吸い上げるか、下水道に落とすなどの方法をとる。

1台のトレーラーに4つの個室が載る。個室スペースは案外ゆったりしていて快適。使用後にペダルを踏んで水を流す。脇に小さなシャワーがついていて、流し足りないところを流せる。手を洗うシンクや鏡もついている。

照明とポンプに使う電気は、車体上部の太陽光パネルによる太陽光発電で充電可能なバッテリーを電源としている。夜間も明るく、安心して使用できる。

9日時点で、七尾市に京都府亀岡市、山梨県北杜市、大阪府箕面市の3台、能登町に奈良県田原本町、群馬県大泉町、新潟県見附市、群馬県の4台、輪島市に千葉県君津市の1台と、合計8台が設置されている。さらに3~5台が派遣される予定で、現在設置場所などの調整が行われている。

トイレトレーラーを見て「洋式ですか」と喜ぶ

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