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冬に流行「ノロ感染」意外と知らない"予防の正解" 生ガキに「あたる人」「あたらない人」何が違う?

東洋経済オンライン / 2024年1月14日 8時0分

ノロウイルス感染症はなぜ冬に発生しやすいのでしょうか(写真:buritora/PIXTA)

冬の食中毒といえば、ノロウイルスだろう。年間の食中毒患者の約半数を占めている。例年11月ごろから増え始め、12月から翌年1月ごろにピークとなる(厚生労働省「ノロウイルスによる食中毒発生状況」より)。能登半島地震では避難所でノロウイルスの感染が相次いで報告されている。

ノロウイルスは感染力が強く、1件の食中毒事故から大規模な流行になることもあるのが特徴だ。なぜ冬に発生するのか、効果的な予防方法はあるのか。食品衛生学を専門とする女子栄養大学短期大学部教授の平井昭彦さんに聞いた。

突然の吐き気や嘔吐が特徴のノロウイルス感染症。下痢や腹痛を伴い、37~38℃の熱が出ることもある。

【表】食中毒のリスクから身を守る「ノロウイルス対策5つのポイント」

ノロが冬に流行しやすいワケ

ノロウイルス感染症はなぜ冬に発生しやすいのか。平井さんはこう説明する。

「ノロウイルスは気温が低いほうが長期生存しやすく、乾燥にも強い。このため、冬に感染症が流行しやすいと考えられます。また、生ガキなどノロウイルスに汚染された二枚貝を適切に加熱せずに食べることが食中毒の原因の1つになりますが、生ガキは冬に食べることが多いというのも影響しているのでしょう」

ノロウイルスに汚染された生ガキを食べることによって感染するのは有名な話だが、平井さんによると、その割合は「2割程度」。実はノロウイルスは、ウイルスに汚染された食べ物で発症する「食中毒」だけでなく、人から人にうつる「感染症」という二面性を持つ。

「最も多いと考えられている原因は、調理従事者からの感染です。ノロウイルスに感染した人が調理したことで、食品がウイルスに汚染され、それを食べることで感染するという経路です。もう1つは、感染者のふん便や嘔吐物を処理する際に触れたり、感染者がトイレを使った後に触ったドアノブや照明スイッチに触れたりして感染するケースです」(平井さん)

頻度は多くないが、感染者の嘔吐物が乾燥して空中を漂ったり、トイレで蓋をせずに流したその飛沫が飛び散ったりしたものを吸い込んで、感染するケースもあるそうだ。

100個程度でも人に感染

「ノロウイルスの感染予防は非常に難しい」と話す平井さん。それは感染力の強さもある。「ノロウイルスは100個程度あれば人に感染しますが、感染している人のふん便1gには100万個程度のノロウイルスがいるという報告があります」。

感染者=発症者ではないということも挙げられる。わかりやすく言うと、ノロウイルスに汚染された食品を食べた場合、①感染して発症する人、②感染しても発症しない人、③感染しない人がいる。

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