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解明できればノーベル賞?宇宙で一番「熱い話」 東大教授たちも注目するダークエネルギーとは

東洋経済オンライン / 2024年1月15日 18時0分

もし解明できたら、ノーベル賞10個分の価値!?そんな「宇宙のヤバい話」とは(写真:World Image/PIXTA)

最先端の理系分野で活躍する10人の東大教授が、ビジネスやIT、国家、AIなど多岐にわたるトークテーマを繰り広げる『東大教授が語り合う10の未来予測』。その中から本記事では、戸谷友則教授(天文学)による宇宙の謎について紹介していく。もし解明できたら「ノーベル賞10個分の価値」とまで言われる、最先端の「宇宙の熱い話」とは。

宇宙の膨張を加速させる「ダークエネルギー」

戸谷友則(以下、戸谷):最近の精密観測によると、宇宙の膨張はこれまでは減速していたけれども、今は加速に転じつつあります。

つまり、宇宙は相対性理論で考えると膨張しているけれど、内側に物質が詰まっているから、それらが発する重力によって、膨張する力は落ちて減速するはずなんです。でも、最近の精密観測によると、宇宙の膨張はこれまでは減速していたけれども、今は加速に転じつつある。

瀧口友里奈(以下、瀧口):宇宙の膨張が加速している。

戸谷:はい。減速が終わって今から加速に転じようとしているところなんです。では、加速に転じさせるものは何かというと、今の我々が知っている物理法則にはないんですよ。しかし、アインシュタインの宇宙の方程式にある定数を入れると、うまく説明できるんです。ただ、その定数がどういう意味を持っているのかがわからない。ですから、宇宙の膨張を加速させる未知のエネルギーということで「ダークエネルギー」と呼んでいます。

瀧口:そもそも、宇宙が膨張しているというのはどういう現象なんですか。

戸谷:太陽のような星が1000億個くらい集まったのが、我々の住んでいる銀河系です。さらにその外を見ると、銀河系と同じような銀河が宇宙には散らばっているわけです。で、散らばっている銀河を俯瞰してみると、どうやら宇宙というのは全体が広がってサイズが大きくなっているらしい、ということです。

加藤真平(以下、加藤):つまり、銀河の動きを観測するとだんだん遠くに行っているようだけど、その遠くに行くスピードがちょっとずつ遅くなっている。だから、膨張は少しずつ遅くなっている、という話だったのが、2000年くらいから「あれ? なんかあの銀河、やたら離れて行ってない?」と気づいた、みたいな感じなんですか。

遠くのものほど速く遠ざかる

戸谷:宇宙全体では、遠くの銀河ほど我々から速く遠ざかります。例えば我々が話しているこの部屋に複数人の人が座っていますが、仮にこの部屋がぐっと引き延ばされたとすると、私から見て遠くにいる人ほど速いスピードで離れていきますよね。反対に、私より近い人はゆっくり離れていく。

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