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相次ぐ「集団食中毒」テイクアウトに潜む"NG行動" 専門家「リスクは気温が高い時期だけじゃない」

東洋経済オンライン / 2024年1月16日 9時30分

サルモネラ菌の顕微鏡写真。2023年度は食中毒の患者数が3年ぶりに増加に転じたという(写真:nishida/PIXTA)

2023年は、集団食中毒のニュースが目立った。

イベントで販売されたマフィンを食べて複数の人が腹痛を訴えたニュースが記憶に新しいが(現時点で食中毒の原因となる細菌は検出されていない)、9月には青森県の駅弁メーカーの弁当を食べた人が体調不良を訴え、患者数は500人を超えた。

新型コロナの流行以降、食中毒の患者数は減少傾向にあったが、2023年度は3年ぶりに増加に転じる見通しだ。外食や総菜を買うときの注意点について、女子栄養大学短期大学部の平井昭彦さんに聞いた。

細菌やウイルス、寄生虫など、有害な物質がついた食品を食べることで、下痢や腹痛、嘔吐、吐き気、発熱などの症状を引き起こす食中毒。

【表】食中毒のリスクから身を守る「ノロウイルス対策5つのポイント」

今はウイルス、寄生虫に注意

一般的に細菌(サルモネラ菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、病原性大腸菌など)による食中毒は気温が高い時期に発生しやすく、ウイルス(ノロウイルスなど)による食中毒は気温が低い時期に発生しやすい。

一方、アニサキスなどの寄生虫による食中毒は年間を通して発生する。

食中毒のニュースが相次ぐと、外食や中食(弁当や総菜など家庭以外の場所で調理・加工されたものを購入して食べること)を利用することに不安を感じる人もいるだろう。

外食や中食は、自炊して食べるよりもリスクがあるのだろうか。平井さんは「必ずしも外食や中食のほうがリスクが高いとは言い切れません」としたうえで、こう説明する。

「家庭では食中毒を起こしても軽症で受診しなかったり、食中毒だと気づかなかったりすることが多いですが、外食や中食を利用して症状が出た場合は、食中毒を疑って受診につながりやすくなります。医師は食中毒と診断した患者、もしくは疑いのある患者を診た場合、保健所に届け出なければなりません。このため、外食や中食での食中毒は表面化しやすいといえます」

昨年、集団食中毒が目立った背景

昨年、集団食中毒が目立った背景には、どのようなことが考えられるのか。平井さんの見解はこうだ。

「1つには、食品提供者の食品衛生に関する知識不足があるのではないかと思います。また、通常より大量の注文を受けるなど、店の規模や調理能力を超えた数を作る場合などではやるべきことが増えて、食品衛生の基本を守りにくくなることも考えられます」

食品を調理、製造、加工、販売するには、食品衛生責任者を配置することが、食品衛生法によって義務付けられている。食品衛生責任者の資格は、各自治体などが開催する養成講習会(6時間程度)を受講して、食品衛生に関する知識を学ぶと取得できる。

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