長期で日本株が上昇する「ストーリー」はあるのか 「短中期」では日本株ブームは終わった可能性
東洋経済オンライン / 2024年2月10日 8時30分
今後の株価はどうなるのか。9日の日経平均株価は一時3万7000円を突破したが「今日の日経平均の終値」は、いまや明日の天気に次いで、国民的に重要なニュースになっている。
冷静で中立的な立場で株価予測をやってみよう
しかし、改めて観察してみると、適切な株価動向の見通しのアドバイスをやっているような番組はどこにもない。NHKのニュースはそんなことに踏み込めるはずがないし、ほかの媒体だってそうだ。
一方、経済や金融市場専門のニュース番組は、テレビにせよ、ネット番組にせよ、市場関係者に埋め尽くされており、ほとんどが上がるという予想だ。しかも大半は買い推奨でしかなく、どうみてもムードが悪いときは、調整局面で買い場を探る展開、という解説になる。いわゆるポジショントークしかない。
そして、もともと弱気だったり、懐疑的だったりする人々は、あまりメディアから声がかからなくなる。そうなると株に常に強気の人ばかりが世の中にあふれることになる。これは前回の「なぜ株価はほとんどいつも上がっているのか?」でも触れたところだ。
正しくなくても、予想として当たらなくとも、冷静で中立的な予想、あるいは見通しの分析はどこにあるのか? ない。では、ないならば、やってみよう、というのが今回の趣旨である。
すでに多くの読者の皆さんもご存じのように、私は、現在の株価には弱気である。だが、今回はその自分の見方を排除して、中立的な描写に徹したい。
まず、今年日本株が上がってきた理由は何か。個人も機関投資家も海外投資家も日本株を買っているからである。個人は新NISA(少額投資非課税制度)が施行されて、急激に株式投資シフトを強めている。
ただし、米国株を中心とした海外株が多数派で、日本株は、高配当利回りを狙った個別株狙いが多いようだ。ある報道によるとJT株が一番人気だった模様だ。
一方、海外投資家も今年に入って、買い意欲を加速させた。2024年1月は、ヘッジファンドなどの短期ローテーション買いが多かった模様だ。ただ、昨年から長期の現物株の投資が増加しており、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの大手商社株買いがニュースとなった。
だが、それ以外の、長期に保有する投資家の個別株買いも増えている模様だ。さらに、中国国内の個人投資家も、自国からの資金逃避先として日本株を選好しているということが伝えられている。海外のほとんどすべての投資家は、短期でも長期でも、日本株へ資金を傾けている。
日本ブームが日本株買いを支える
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