「AI先進国」になれるチャンスが日本にも到来 本郷バレーがシリコンバレーを超える可能性
東洋経済オンライン / 2024年2月12日 19時30分
文章や画像、音楽などを自動的に生成する「生成AI」は、その進化が著しく、もはや「SFの世界」の話ではなくなってきました。2023年12月には、アメリカ・インテルがパソコンでAIが効率的に使えるようになる半導体を正式発表。設備投資においても、AIの普及で通信企業がデータセンター(DC)の整備を急ぐなど、経済への波及効果も見られます。
このようなAIの経済効果や労働への影響について、駒澤大学経済学部准教授・井上智洋氏の最新著書『AI失業』より、日本がAI先進国になるために必要な施策についてご紹介します。
生成AIの利用が盛んな日本
現在は、ChatGPTなどによってAIの世界が劇的に変わろうとしており、ある意味で日本にとってはチャンスが到来しています。
図4‐5のように、ChatGPTへのアクセス数が多い国は、アメリカ、インド、日本の順番です。アンケート調査によってはChatGPTを使っている日本人は少ないというデータもありますが、「アクセス数」がデータとしてはもっとも客観的です。そこを見る限り、日本は世界3位です。
ちなみに中国は、中国独自の言語生成AIを使っており、ChatGPTは使えません。たとえば、ChatGPTに「天安門事件とは?」と聞いたらもちろん答えてくれますが、中国の言語生成AIは答えてくれません。中国では、インターネットでも「天安門事件」が検索できないようになっています。
こうした障壁を「グレート・ファイアウォール」と言います。目に見えない万里の長城のような巨大なインターネットの障壁が中国全土を覆っていて、政府にとって不都合な情報にアクセスできないようになっているのです。
ChatGPTを使わせないことも、グレート・ファイアウォールの一種とみなすことができます。ChatGPTがもし中国で利用できるのであれば、中国がアクセス数でトップになる可能性があります。
いずれにせよ日本は、アメリカ、インド、中国に比べても、人口が少ないので、1人あたりの平均アクセス数を考えたら主要国で1位になるでしょう。少数のヘビーユーザーが過度にアクセスしている可能性もありますが、かなり利用されていることに間違いはありません。
AI好きな日本人の国民性とドラえもんの関係性
日本で、ChatGPTのような言語生成AIに夢中になる人が多いのはなぜでしょう? 日本では以前から『ドラえもん』のような、人と友だちであるかのようなフレンドリーロボットが漫画やアニメで描かれてきました。
この記事に関連するニュース
-
なぜ巨大IT企業の「日本への建設ラッシュ」が起きているのか…「これからは中国より日本」というIT業界の本音
プレジデントオンライン / 2024年6月24日 8時15分
-
なぜ「1株1ドル」が1200倍に大化けしたのか…「ガラケーからスマホ」をはるかに上回る"AIバブル"の凄まじさ
プレジデントオンライン / 2024年6月17日 9時15分
-
台北国際コンピュータ見本市COMPUTEX開催、半導体やICT業界世界大手のCEOらイベントに登壇(台湾)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月11日 11時20分
-
このままでは日本経済全体の足を引っ張る…「日の丸連合ラピダス」に融資が集まらない深刻な事情
プレジデントオンライン / 2024年6月10日 8時15分
-
「オルカン」組み入れ銘柄としても注目 エヌビディアの株価はどこまで上がる?
Finasee / 2024年6月7日 12時0分
ランキング
-
1今度はなんのコラボ? マクドナルドのX、次回の「ハッピーセット」のヒント画像公開...期待高まる
J-CASTニュース / 2024年7月4日 16時49分
-
2妻に先立たれた65歳、年金約17万円・おひとり様シニアを襲う<老後破産へのカウントダウン>
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月3日 9時0分
-
3宝くじで「10億円」当選! でも実際に“手では持てない”って本当?「1000万円」なら片手で持てる? 元銀行員の筆者の経験もあわせ解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月4日 4時40分
-
4「衝撃でした」従業員も驚き「川崎重工業」の裏金問題 海自隊員らに飲食費など提供か 共同作業で懇親会も 規模は十数億円の可能性
MBSニュース / 2024年7月4日 11時45分
-
5「NHK受信料がいらない」チューナーレステレビ 山善があえて“アフターサービス”に注力するワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月3日 8時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください