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名店監修の「ラーメン鍋スープ」が300円しない理由 ダイショーが市場を開拓、「鍋=冬」常識にも変化

東洋経済オンライン / 2024年2月29日 11時50分

毎年冬になると食べたくなるお鍋。有名なラーメン店監修のスープが増えている理由とは?(筆者撮影)

寒くなる秋から冬にかけて、スーパーマーケットでは鍋スープ売り場が少しずつ拡大していく。

【写真】ダイショー監修のスープ

そんな中、昨年から筆者が注目しているのは人気ラーメン店監修の鍋スープシリーズだ。コンビニで発売されているラーメン店監修のカップ麺、チルド麺などはおなじみだが、昨年は鍋スープ売り場にもラーメン店の名前が多数並び始めた。

鍋スープのアレンジレシピはいろいろなところで目にするが、「ラーメン店のスープで鍋を作ろう」というのは今まであるようでなかった。もちろん今までもどこかでは展開していたはずだが、これだけ売り場のメインで展開が始まっているというのは見逃せない。

2021年からラーメン店監修の鍋スープを発売しているダイショーを取材した。

「焼肉一番」などで知られるダイショー

ダイショーは1966年創業で、焼肉のタレ「焼肉一番」や「味・塩こしょう」を主力商品として展開してきた会社。

鍋スープの展開がスタートしたのは1989年のこと。当時の社長であり創業者の金澤俊輔氏が博多で食べた寄せ鍋に感動し、「このスープは家庭ではなかなか作れないだろう」と鍋スープの開発に着手。これが市販の鍋スープの先駆けとなった。

1991年からもつ鍋スープの発売をスタート。1992年ごろに空前のもつ鍋ブームが起こり、鍋スープの今後の可能性を見いだした。

「専業主婦が多かった時代からだんだんと共働きになり、便利な鍋スープが定着していきました。もつ鍋スープのヒットを受けて、味のバリエーションも増えていきました」(広報室長・森健一郎さん)

ダイショーは主力商品である「焼肉一番」や「味・塩こしょう」が春夏商品だったということもあり、秋冬にしっかり売れるものを模索していた。その中で鍋スープが秋冬の売り上げの柱として頭角を現してきた。

味のバリエーションが増えていく中で、名店監修の商品も増えてくる。「CoCo壱番屋」監修のカレー鍋スープのヒットを受けて、鍋の名店だけでなく、他ジャンルの人気店とのコラボにも活路を見いだし始めた。ラーメン店監修商品の発案者は首都圏営業部の林孝則さんだ。

「実は私はもともとお鍋が嫌いでして(笑)。実家で『今日はお鍋よ~』と言われると毎回落ち込んでいました。

せっかく人気店とコラボするなら、テンションの上がる鍋を作れないかなと考えて、まず思い出したのがラーメン店でした。家でラーメン店の味がお鍋で食べられたら最高だなと思ったんです」(林さん)

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