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IT企業から独立したエンジニアに起きた「悲劇」 フリーランスには様々なリスクがつきまとう

東洋経済オンライン / 2024年3月14日 13時30分

会社を辞めてフリーランスになったときに発生する、様々なリスクについて解説します(写真:kou/PIXTA)

「会社を辞めたい」と思っている方のなかには、「フリーランスになろう」「独立したい」と思い、特定の組織に属さない働き方を視野に入れている方もいらっしゃるかと思います。

しかしながら、「準備もせず、勢いのまま今すぐ辞めようとすると、数々のリスクが襲ってくる」と、フリーランスの支援を長年続けている税理士の廣岡実氏は言います。

今回はその例として、独立して1年目のAさんに起こった悲劇を、廣岡氏の著書『お金の管理が苦手なフリーランスのための お金と税金のことが90分でわかる本』より一部引用・再編集し、様々なフリーランスのリスクについて解説します。

IT企業から独立したAさんに起こった悲劇

IT企業から独立したAさん。

【画像】東京23区の税金スケジュール。フリーランスは、毎月のように何かしら税金の支払いがある

Aさんはもともと社内ではエース的なエンジニアとして実力と人脈があったので、独立後すぐに仕事の依頼が舞い込み、外注も雇って仕事を回す順調なスタートを切りました。

そんなAさん、初年度の6月に住民税の請求が50万円近く来ました。

住民税は前年度の年収に対して翌年にかかってきます。年収800万円近くあったAさんにとって、この住民税の額は仕方がないものの、心の準備がなかったAさんは驚きました。しかし、退職金などの蓄えもあったため、無事払い終わりました。

その後、月々の売上金額は会社員時代の月収を大きく上回ることができ、Aさんは「やっぱり独立してよかった」と自信を深めました。

最初の年は経費、外注先への支払いがありますが、それ以外の税金などの支払いは特にありませんから、会社員時代のように手元に残ったお金がすべて使えてしまう感覚にとらわれます。

そこに何となく税金対策として聞いていた「経費を使ったほうが所得税は少なくなる」という考えにかられ、派手に飲食代などに使っていました。

問題は翌年3月の確定申告の後です。この確定申告で、初めて昨年はいくらの儲けがあっていくらの税金を納めなければならないのかがわかります。

日常の生活費は「経費」にはなりませんから、計算上の儲けとそれに連なる納めなければならなくなる所得税と、思いのほか減っていた手元の預金残高を見て愕然となります。

さらに愕然とすることは続きます。自動車を購入していたAさんは5月には自動車税があり、6月には住民税と国民健康保険料の納入通知書が届きました。

前年に稼げば稼ぐほどこれらの出費が多くなります。

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