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「小田急の顔」ロマンスカー乗務員に必要な条件 運転士・車掌の経験3年、さらに訓練、試験、研修

東洋経済オンライン / 2024年3月21日 6時30分

展望席を備えた小田急ロマンスカーGSE。車掌は車内巡回などで乗客と接する機会が多い(記者撮影)

小田急電鉄の特急ロマンスカーは、東京都心のターミナルである新宿と、小田原・片瀬江ノ島方面を結ぶ。箱根や湘南への観光客だけでなく、沿線の通勤・帰宅時間帯の足として幅広く利用されている。

【写真30枚を見る】「小田急の顔」ロマンスカーの車掌。意外と知らないその業務に独占密着。クレーム対応も含め、乗客とのコミュニケーション力はどのように身につける?

現在はGSE (70000形)、MSE (60000形)、EXE(30000形)、EXEα(同)が活躍する。GSEは2018年にデビューした同社のフラッグシップトレインで、運転室を客室の“天井裏”に上げ、ロマンスカー伝統の展望席を備える。前面の大型窓から迫力ある眺めが楽しめる。

MSEは地下鉄千代田線やJR御殿場線に乗り入れてマルチな活躍をする。EXEとEXEαは見た目こそ地味だが、ソファのようなゆったりしたシートの座り心地は通好みだ。

直接乗客に接する車掌

小田急の顔であるロマンスカーで実際に乗客とコミュニケーションを取るのは乗務員だ。とくに車掌は乗降ドアの開閉や車内アナウンスに加え、車内を巡回することから直接乗客と接する機会が多い。MSE、EXE、EXEαの10両編成の場合は1本の列車に約580席。それだけたくさんの乗客を受け持つことになる。快適な車内になるかどうかは、車掌の肩にかかっている。

喜多見乗務所の主任車掌、柴﨑泰史さんは15年の車掌のキャリアがある。ロマンスカーの乗務は過去にも経験しているが、長く一般車両の車掌の養成に携わっていた。「コロナ禍後にお客さまが戻ってきているのを見て、自分の持っている経験やスキルを後輩に伝えていきたい」と試験を受け、2023年にロマンスカーの乗務に復帰した。

柴﨑さんは「ロマンスカーは外国人のお客さまが多い印象。以前はカタコトの会話だった英語もいまは翻訳アプリでコミュニケーションが取れるようになった。お客さまを目的地まで安全にお連れするのは大前提だが、いちばん大事なのは快適に乗っていただくこと」と語る。

3年経過後さらに訓練・試験

乗務員になるためにはいくつもの関門がある。小田急の場合、車掌はまず駅に配属後、車掌任用試験、車掌科養成教育(学科・実技)を経て独り立ち(社内では「単独」という)する。そして運転士は、車掌を経験したあと、運転科任用試験、運転科養成教育(学科・実技)を経て単独で乗務する。

そこからロマンスカーの営業列車に乗務できるようになるにはさらに社内の資格が必要だ。車掌・運転士とも単独3年経過すると新人ロマンスカー担当者教育として学科教習と試験があり、合格すると実技訓練に移る。実技訓練後、技能確認試験に合格すると次年度の4月1日よりロマンスカーに乗務することができる。

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