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「妊娠したら辞めて」教育委員会のマタハラを"証言" 都のSC大量雇い止めは「女性差別の問題」だ

東洋経済オンライン / 2024年3月22日 12時0分

19年間にわたってSCとして都立学校の子どもや親を支えてきた時任さん(右)。「妊娠したら辞めて」という都教委の言葉はずっと心の中にひっかかってきたという(編集部撮影)

東京都の非正規公務員であるスクールカウンセラー(SC)250人が3月末で“雇い止め”にされる。働き続けることを希望して試験を受けたSCのうち5人に1人が不合格。中には勤続10年、20年で、学校からの評価も高い「ベテラン」も少なくない。SCらが加入する労働組合は「これだけの規模の非正規公務員の雇い止めは全国初ではないか」と懸念する。不登校やいじめ、発達障害、自殺未遂、ヤングケアラー、宗教2世などさまざまな問題に対応するSCの突然の“大量解雇”は学校現場にも大きな混乱を招きかねない。その背景と影響を全3回でリポートする。

*1回目:都の学校カウンセラー「250人雇い止め」の衝撃

【写真】不登校や発達障害などさまざまな問題に対応するSCの突然の“大量解雇”は学校現場にも大きな混乱を招きかねない

毎年、東京都教育委員会から念押し

「妊娠したら辞めていただきます」

年に1度、東京都のSC(スクールカウンセラー)を対象に開かれる東京都公立学校スクールカウンセラー連絡会。都教育委員会(都教委)の担当者らがSCの役割や関連事業について説明するのに併せ、繰り返し念押しされてきたのが「妊娠したら辞めて」という指示だった。

会場には1000人近いSCが参加しており、その大半は女性。会合の帰り道、SCたちの間で「マタハラですよね」「都がこんなことを言うなんて……」「大問題ですよ!」といった非難の声が上がるところまでが恒例の光景だったという。

今回雇い止めとなった時任聖子さん(仮名、50代)は都のSCとして19年間、働いてきた。都教委の発言について次のように証言する。

「私の記憶では、初めて採用されたときから、(SCが)会計年度任用職員になるまで言われ続けてきました。連絡会には(職能団体である)東京公認心理師協会の担当者も参加していましたが、誰一人、この発言を問題視する人はいませんでした」

そして、「私が子どもを産むのをやめたのは、都教委のこの言葉が大きかったです」と打ち明ける。

夫が自営業で収入に波があり、時任さんがSCの仕事で得る賃金が収入の柱。都のSCになる前は家賃の支払いが心配になることもあったという。子どもを産むことも考えたが、そうすると世帯収入は激減する。SCに復職できる保証もない。夫とは「無理だよね」「もういいよね」というやり取りをぽつぽつと交わすうちに、出産できる年齢が過ぎていった。

学校からの業績評価はオールA

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