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35歳でNTT辞め、たどり着いた野球とITの最先端 選手の進化をスポーツ科学で促すネクストベース

東洋経済オンライン / 2024年3月22日 11時20分

ネクストベースの中尾信一社長(左)と神事努氏(写真:筆者撮影)

千葉県のJR市川駅で降りて、スポーツベンチャー企業ネクストベースの新施設に向かうべくタクシーを拾うと、運転手から「ああ、有名な選手がいっぱい来ている施設だよね」と言われた。なるほど、すでに地元でも話題になっているのだ。

【写真】アスリートの成長を支援する「NEXTBASE ATHLETES LAB」

株式会社ネクストベースの中尾信一社長は、生粋の野球人だった。

「千葉県の佐倉高校から、立教大学の野球部に進みました。つまり長嶋茂雄さんのコースです。長嶋さんのように大学で活躍してあわよくばプロに行けたらいいなと思ったのですが、3年生の時に故障して、そこで野球人生の先が見えなくなった。

次に高校野球の指導者になろうと思ったのですが、切り替えのタイミングが遅かったので教職課程を全部修了できずに卒業し、社会人になってからスクーリングや通信講座で資格を取得しました」(中尾社長、以下同)

NTTを35歳で退職して探した次の道

「入社したのはNTTです。2年間かけて教員資格を取って、さあ教員になるぞと思ったのですが、当時は今ほど教員のなり手がいない時代ではなくて、募集枠も全然ありませんでした。

NTTではIT最先端の仕事を経験しました。本社ではBSのデジタル化や次世代の金融システムなどIT関連の部署に所属し、ダイナミックな仕事の面白さに魅了される日々だったのですが、気が付いたらNTTに入社して11年経っていました。

35歳になったときに『何かやるにはもう動かないと』と思い退職。友人がMBO(経営陣による買収)をしたベンチャーに参画するとともに、立教新座高校でピッチングコーチも始めました。そうしながら次の道を探しました」

ITと野球という2足のわらじが続く中で「次のステージ」への模索が続いた。

専門だったIT分野と野球、スポーツを生かす事業を、と2014年にネクストベースを創業した。しかし確たる目算もなかったので、創業して2年半も「ネタ探し」をしていたという。

「周囲では有望そうなビジネスを立ち上げた人が、みんな途中で力尽きていた。なぜだろうと考えて、成功に必要なのは社会に対してインパクトがあるか、そしてビジネスとしての継続性があるか、だと思い至った。そして悩んだ揚げ句にたどり着いたのが『スポーツ科学』というテーマでした」

ゴールデンイーグルスのアナリストと出会う

そのタイミングで、中尾氏は、東北楽天ゴールデンイーグルスのアナリストで、国際武道大学の教員でもあった神事努氏の講演を聞いた。

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