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「ゴミ屋敷に住む20代弟」を救い出した姉の述懐 もしも家族の部屋がゴミ屋敷になってしまったら

東洋経済オンライン / 2024年3月30日 12時0分

天井近くまでゴミが山積みになっていた(画像:「イーブイ片付けチャンネル」より)

うつ状態に苦しみ仕事を退職した20代の弟と、ある日音信不通になった。胸騒ぎを覚えた姉が自宅を訪ねると、そこに弟の姿はなかった。そして、およそ自分の弟が住んでいたとは思えない荒れ果てた部屋に、姉は言葉を失ってしまった。

本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。

もしも家族の部屋がゴミ屋敷になってしまったら、いったいどうすればいいのか。ゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)を営み、YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信する二見文直社長(以下、文直氏)が、先のゴミ屋敷を通して解説する。

動画:【ゴミ屋敷になった弟の部屋】20代の身に起きた異変とキッカケ

母が亡くなった4年前からゴミが溜まりだした

玄関の扉を開けると姉はすぐに部屋の異常に気づいた。奥の部屋へと続く通路からすでにゴミを足で掻き分けていかないと前に進めない。通路から部屋に入る扉はゴミが邪魔して開かない。こんなところに本当に弟が住んでいるのか……。

【写真を全部見る】ゴミ屋敷の片付け前と片付けた後

しかし、部屋に弟の姿はない。連絡手段もなく、姉はすぐさま警察に弟の捜索願を出した。

「弟は元々あまり家族と連絡を取る子ではありませんでした。1年ほど前からうつになってしまって、それでよく連絡を取るようになったんですけど、自宅まで行くことがなくて、こういう現状を把握することができなくて」(姉)

後から知ったところによると、部屋にゴミが溜まり出したのは行方不明になる4年前から。それは、ちょうど母が亡くなったタイミングだった。姉はそれがきっかけになったのではないかと思っている。

「片付けがちょっと苦手な子ではあったんですけど、ここまでではなかったはずです。2カ月ぐらい前ですかね、一度まったく連絡が取れなくなって。仕事もうつで休職の後に退職になっていたので、お金も貸したりしていて。定期的に連絡を取っていたんですけど、急に連絡が取れなくなったので、ちょっと心配になって家に行ってみたらこういう現状だったっていうのを初めて知りまして」

現在、この部屋には誰も住んでいない。このまま放っておくわけにもいかず、かといってもう一人いる姉妹と力を合わせてもどうすることもできず、イーブイに片付けの見積もりを依頼した。

水回りは映せないほどに汚れていた

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