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無印良品「欧州で破産」報道から見る変化の現実 欧州より東アジア、国内も都会では「飽き」?

東洋経済オンライン / 2024年4月3日 11時30分

「ヨーロッパで、無印良品が破産した」…そんなニュースがSNS上で話題になりました。一方、国内でも地方の強化が進んでいるようです(写真:Lukas/PIXTA)

欧州・MUJIの実質的破産、英国小売業界の苦境

「ヨーロッパで、無印良品が”破産”したらしい……」

【写真で見る】都市部では「飽きられ」? 既存店の客数が漸減傾向にある「無印良品」

X上の一部で、そんなニュースが先週、話題になった。

筆者は最近、無印良品に注目し、現地へのフィールドワークや文献調査を行っていた。その中で感じたのは、「特に都会や都市部では、数年前ほどの勢いがなく、少し飽きられているかもしれない……」ということだ。会社側もこうした状況を理解しているようで、さまざまなテコ入れ策が見られる。

そこで本記事では、欧州の無印良品の破産を一つのきっかけとして、無印良品の現在の姿を紹介したい。ポイントは、

①国外市場では、欧州市場で苦戦し、東アジア市場にシフトしている

②国内では既存店の改革を行い、地方出店を加速させているが、厳しい状況は続いている

③ただし、地方でのブランド力はあり、ブランディング的に見ても地方出店には分がありそう

という3点だ。

英・ガーディアン紙の記事「無印良品ヨーロッパ、英国の主要繁華街の苦境で管財人を任命へ」によると、「日本の衣料品・家庭用品小売業、無印良品のヨーロッパ部門が管財人を選任することになり、苦境にあえぐ英国の主要繁華街にまた暗い兆しが見えてきた。ロンドンに6店舗、バーミンガムに1店舗を構える小売業者の広報担当者は、この動きは『計画的な戦略的事業再編』の一環であり、まもなく合意に達する見込みだと述べた。同社は、このプロセスが店舗やスタッフ、チェーン運営全般に直ちに影響を与えることはないと強調した」とのこと(和訳は筆者による)。

一見センセーショナルに映る「破産」という文言。運営元である良品計画も、3月25日には「特定子会社の異動に関するお知らせ」というリリースで、MUJI EuropeLimitedへの20,000,000英ポンド(約38億円)もの増資をひっそり(?)発表している。

日本とは法律も違うはずなので、「破産申請をしたのか、これから入るのか」を、担当編集経由で良品計画に問い合わせたところ、「英国民事再生手続きに掛かる財産管理人の候補者選定をした」「ただ、欧州からの撤退ではない」とのことだった。

ゆえに、なかなか表現が難しいところなのだが、筆者としてはそこまで深刻に受け止める必要はないだろうと考えている。

というのも、最新の決算資料を見ると、無印良品は国内587店舗、海外643店舗と、海外を主軸とする企業になっている。特に東アジアには494店舗を展開しており、近年の出店もその地域に集中している。

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