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酔っ払いはアウト「令和の飲み放題」こう変わる 中生ビール3杯を超えると急性アル中のリスク

東洋経済オンライン / 2024年4月4日 7時20分

外食業界が本格回復する中、居酒屋チェーンの回復ペースは緩やかだ(撮影:今井康一、編集部)

歓送迎会シーズンに入り、居酒屋では久方ぶりの宴会が増えている。しかし宴会プランにセットで付いてくる「飲み放題メニュー」に異変が起きている。

【飲み放題アンケート】居酒屋チェーン7社の回答を一挙公開

「低アルコール・ノンアルコール飲料を拡充する」という方針を掲げるのは、チムニー、SFPホールディングス(HD)、鳥貴族HD、ワタミ、コロワイドの大手居酒屋チェーンだ。飲み放題のメニュー変更を実施あるいは予定している。

背景の1つにあるのが、厚生労働省が公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(以下、ガイドライン)」。ガイドラインでは、1日あたりのアルコール摂取量は20グラム程度が適切と記載し、一時多量飲酒(1回の飲酒機会で60グラム以上)については急性アルコール中毒を引き起こす可能性があるため「避けるべき」と言及している。

飲み放題は続けるが・・・

飲み放題プランの多くは2時間制で、利用者の多くは元を取ろうと何杯もお酒を注文することになる。たとえば、アルコール度数5%のビールは中ジョッキ(500ml)で純アルコール量が20g、アルコール度数15%の日本酒1合(180ml)では21.6gになる。

つまりガイドラインを考慮した飲み方をすると、中ジョッキの生ビールで乾杯し、2杯目に日本酒1合を飲んだら、それ以降は低アルコールかノンアルコールを飲むことになる。ガイドラインの公表を受けて、東洋経済は居酒屋チェーン7社に「飲み放題を実施する方針に変更はあるか」アンケートを実施したところ、すべて「現時点で飲み放題を取りやめる予定はない」との回答だった。

冒頭の5社は、低アルコール・ノンアルコール飲料を拡充していると回答。鳥貴族は、2021年から全アルコール商品に純アルコール量をメニューに記載するほか、SFPHDやチムニーでは、多量飲酒(飲み過ぎ)を注意喚起する掲示物などを店内に設置する予定という(下図参照)。

厚生労働省は「ガイドラインは個人に向けたもので、飲酒の影響やリスクを正しく知ってもらうことが目的だ」とする。直ちに飲み放題がなくなることはなさそうだ。

変わる宴会の姿

これまで居酒屋の宴会といえば、大人数で集まってワイワイと飲んで盛り上がるイメージがあるが、昨今は事情が変わりつつある。「以前は居酒屋に入ったら、とりあえずビールを注文し、その後は同じアルコールを飲み続けるお客さんが多かった。しかし現在は多様なアルコール商品やノンアルコール商品の需要も高くなっている」(大手居酒屋幹部)。

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