1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

東京に「フォーミュラE」は本当に必要なのか? 「おもしろかった」で終わらせない議論を

東洋経済オンライン / 2024年4月6日 11時20分

東京に「フォーミュラE」は本当に必要なのか?

意外におもしろかった――。

【写真】東京ビッグサイトの中での観戦も!東京E-Prixの現場から

日本初開催となった「フォーミュラE」世界選手権、2023-2024年シリーズ10の第5戦「東京E-Prix(イープリ)」の決勝が終わった直後、レース会場にいた自動車業界関係者、メディア関係者、そして観客の間からそんな声が聞こえてきた。

この「意外」という言葉の裏には、「開催に懐疑的だった」という見方と、「無関心だったが、誘われたから軽い気持ちで来てみた」という前提があるように思う。

いずれにしても、日本ではF1(フォーミュラ1)と比べ、事実上「無名」に近いフォーミュラEが今回、多くの人の「気持ちの変化」を引き起こしたことは確かだ。

ワンメイクでもチューニングの力量が問われる

フォーミュラEは、2014年から実施されている電気自動車(BEV)レースで、2020年より世界選手権として国際自動車連盟(FIA)の認定を受けた。FIA認定の世界選手権には、ほかに耐久レース(WEC)、ラリー(WRC)などがある。

フォーミュラEは、F1と同じ国際格式のフォーミュラレースなのだ。なお、フォーミュラとは「規定」を意味する言葉で、ドライバーがマシンの中心線に沿って着座する左右対象のレース専用マシンのことをいう。

フォーミュラEの現行マシンは、2022-2023年シリーズ9から規定された第3世代(ジェネレーション3:GEN3)。シャシーは全チームが同じワンメイクで、チームの力量は独自開発するモーター、インバーターなどと、それらを搭載するリアサスペンションの設計に問われる。

モーターの最高出力350kW (通常モードで300kW)。バッテリーもワンメイクで、電池容量は41kWh。充電方式は、ヨーロッパの量産型BEV規定のひとつであるCCS-2を使う。充電器はABB社のワンメイクで、出力は160kW。これを2台のマシンで同時に使うため、1台あたり80kWの出力で充電することになる。

モーターはマシンの前後にあるが、駆動用は後輪のみ。前輪モーターは、減速時のエネルギー回生専用となる。タイヤは、韓国ハンコックのみが供給する。

レース中にモーター制御などのセッティングを変更することができるのも特徴だ。ただし、通信機能を使ってチームがOTA(Over The Air)で行うことは禁止されており、ピットで車両の走行状況を見ながら、エンジニアがドライバーにセッティング変更を無線で伝え、ドライバー自身がステアリングの各種スイッチを手動で変更する。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください