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2017年の入団会見でも見せた大谷翔平の「気配り」 ファンの心をわしづかみにした「祝福の言葉」

東洋経済オンライン / 2024年4月7日 15時0分

2017年12月9日、大谷翔平のエンゼルス入団会見では大歓声が沸き起こった(写真:ヒデ/PIXTA)

日本ハム時代から大谷翔平を10年以上追い続け、8度の単独インタビューを行ったスポーツニッポン新聞社MLB担当記者の柳原直之氏。同氏によるノンフィクション『大谷翔平を追いかけて 番記者10年魂のノート』から抜粋、3回に渡って紹介します(一部・加筆しています)。

第2回は、「2016‐2017シーズン パ・リーグ優勝、日本一、念願のメジャーの舞台へ」です。

予期できなかったエンゼルス入団

2017年11月末。渡米した大谷を追いかけるように、急きょ私の米国出張が決まった。目的はもちろん大谷の動向取材。

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大谷がメディカルチェックに訪れることを警戒し、トミー・ジョン手術の総本山として知られるロサンゼルス市内の「カーラン・ジョーブ・クリニック」には、既に在米の日本記者が大挙して押し寄せていた。

そのほかにも大手エージェント「CAA(クリエーティブ・アーティスツ・エージェンシー)」の事務所前にも大量の報道陣が出待ち。私は米国駐在の通信員と複数人体制で臨み、マークの薄かったドジャースタジアム、エンゼルスタジアムや近隣の大学のグラウンドにも足を運び、大谷の足取りを追った。

取材と言えば聞こえはいいが、広大な南カリフォルニアで大谷を見つけなければならないという雲を掴むような難しいミッションだった。

そんな生活が約1週間続き、絶望に打ちひしがれている12月8日、エンゼルスが大谷の入団を発表。入団発表後に「CAA」の事務所前に入る大谷の写真を共同通信社が撮影。スポニチは私含め当時は「CAA」の事務所前に不在だったため、翌日の紙面は共同通信員社撮影の写真が掲載された。

大谷とニアミスだったことも発覚した。

私は、発表前日の7日エンゼルスタジアムの駐車場で大谷の出入りを待っていた。後日、陽が落ちた頃に大谷がエンゼルスタジアムを訪れたという話を耳にした。

私はちょうどそのタイミングで「もう暗くなったし来ないだろう」と、球場を離れていた。なんということだろうか。大谷がエンゼルスタジアムを視察に訪れたことを確認できたとしても、記事として報じられたかは分からないが、悔しい出来事となった。

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12月9日。エンゼルスの入団会見。

気温31度。太陽が照りつけ、青空が広がった。ファン公開型の屋外入団会見。会見に先立ち着席した当時のビリー・エプラーGMやマイク・ソーシア監督の名前が呼ばれる度に、1000人を超えるファンから地鳴りのような大歓声が沸き起こった。

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