1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「地位も名誉も失っても」ギャンブル依存症の怖さ 「意志の問題」ではなく「病気」という認識を持つ

東洋経済オンライン / 2024年4月10日 7時50分

ギャンブル依存症であることを打ち明けた水原氏(写真:Javier Rojas/PI via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)

アメリカ大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平氏が関与したとされる違法ギャンブル問題。

【チェック表】あなたは大丈夫?「ギャンブル依存症」のスクリーニングテスト

水原氏はチームのメンバーたちに「自分はギャンブル依存症」と打ち明け、謝罪したという。大切な仲間がいて、皆が一目置く地位で活躍し、安定した収入もある――。そんな人間でもかかってしまうギャンブル依存症の怖さについて、取材した。

「意志が弱い」が問題ではない

「ギャンブル依存症というと、意志が弱いとか、だらしがないとか、日々の生活に困っている人が“なけなしのお金でギャンブルをやっている”といったイメージはありませんか」

こう話すのは、自身もギャンブル依存症からの回復者であり、現在は依存症患者やその家族への支援を行っている公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会(以下、考える会)」の田中紀子代表だ。

「でも、ギャンブル依存症に本人の性格は関係ありません。これまでに自分も含めて多くのギャンブル依存症者を見てきましたが、公務員、医師、社長、真面目な人、不真面目な人……と、千差万別です。営業に行くふりをして、パチンコにはまっていたという銀行員の例もあります。このように、ギャンブル依存症は誰もがかかる可能性のある病気なのです」(田中さん)

そもそも依存症とは何か。

依存症の治療を行う「国立病院機構久里浜医療センター」(神奈川県横須賀市)のホームページには、ギャンブル依存症について「その人の人生に大きな損害が生じるにも関わらず、ギャンブルを続けたいという衝動が抑えられない病態」と記載されている。

世界保健機関(WHO)も、ギャンブル依存症(病的賭博)を「精神障害」と認定している。

ギャンブル依存症の5つの特徴

日本のギャンブルには、競馬や競輪、競艇、オートレースの公営ギャンブル、ロト、宝くじ、totoの公営くじ、パチンコやスロットの遊技などがある。株式取引やFX、外国為替証拠金取引も、歯止めがきかなくなり、金銭的な問題を抱えるようになれば、ギャンブル依存症と見なされる。

ギャンブル依存症の特徴は、

▽興奮を求めて掛け金が増えていく

▽やめようとしてもうまくいかない

▽ギャンブルをしないと落ち着かない

▽負けたお金をギャンブルで取り返そうとする

▽ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする

──など。

結果的に借金が膨らんで、窃盗や詐欺、横領行為に手を染めたり、自殺など深刻な事態に陥ったりすることもある。この「犯罪」と「自殺」こそがギャンブル依存症で一番気を付けなければならない部分になる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください