10年後「生き残る仕事」「なくなる仕事」の境界線 今後においてもAIにできないことは何か?
東洋経済オンライン / 2024年4月12日 16時0分
「最近、スーパーのレジが無人化しているな」「問い合わせをすると自動応答で返ってくる」……。こんな機会が増えているのではないでしょうか。仕事は確実に省人化・AI化への道を突き進んでいます。研究者にもよりますが、近い将来には8割の仕事がAIにかわると予測されています。
人工知能研究トップランナーであり、経営者でもある川村秀憲氏の著書『10年後のハローワーク』より、一部引用・再編集して「これからの時代に取るべき選択は何か」を解説します。
「AIが人類を超える日」は早まっている
唐突ですが、スーパーでお会計をする自分を思い浮かべてください。
以前は、お会計は店員さんに商品を渡し、袋詰めをしてもらいながら支払いを済ませるのが当たり前の光景でした。
ですがコロナ禍を経て、お会計はセルフレジで行う光景が、当たり前になってきているのではないでしょうか。
実際に、「2023年スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、セルフレジ設置企業の割合は全体ですでに78.2%にのぼり、いまなお増加傾向が続いています。
現在一番普及しているのは、店員さんが商品のスキャンなどを行い、代金の精算をお客さんが行うセミセルフレジタイプですが、フルセルフレジの導入コストと比べると割高のため、これは将来のフルセルフレジ化に向けた過程と捉えたほうがよさそうです。
私たちの生活に直結するところで、すでに省人化・AI化が浸透しはじめていることを考えれば、仕事においてはよりその波が大きくなることは間違いないでしょう。
AI研究の世界的権威であるレイ・カールワイツ博士は、2045年にAIが人類の知能と並ぶ、または超えるだろうと予想しました。これがAIを語るときによく出てくる「シンギュラリティ」という言葉の意味です。
私は、この見方よりも早く到達するような気がしています。
Chat GPTの登場など、近年の動きはそれを感じるに十分でした。
完全に人間を超えていくかどうか、そうするべきかどうかは別として、AIの進歩のスピードが速まっていることは、おそらく間違いありません。
AIの進歩と発展が、自分の職業・就職の機会を奪い、収入を減らし、生活をより「貧しく」してしまうのではないかと心配している人たちも、かなりの数いるように感じます。
これまでは、AIに何ができるのか、どこまで開発が進んでいるかなどのテーマが多かったのに対して、最近では、実際に企業でどのような取り組みが行われているか、さらにはそれによって組織や人事、採用のあり方がどう変わってきているかへと内容がシフトしてきています。
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