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問題行動を連発「藤原伊周」道長との圧倒的な差 不穏な噂が立ち、誤解を解くべく起こした行動

東洋経済オンライン / 2024年4月28日 8時50分

えさし藤原の郷(写真:chaprin-y / PIXTA)

NHK大河ドラマ「光る君へ」がスタートして、平安時代にスポットライトがあたることになりそうだ。世界最古の長編物語の一つである『源氏物語』の作者として知られる、紫式部。誰もがその名を知りながらも、どんな人生を送ったかは意外と知られていない。紫式部が『源氏物語』を書くきっかけをつくったのが、藤原道長である。紫式部と藤原道長、そして二人を取り巻く人間関係はどのようなものだったのか。平安時代を生きる人々の暮らしや価値観なども合わせて、この連載で解説を行っていきたい。連載第16回は道長のライバルである、藤原伊周のエピソードを紹介する。

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道長のライバル、藤原伊周

「威圧されてはならない」と自分にどれだけ言い聞かせても、いざ顔を合わせれば、思わず畏怖してしまう。藤原伊周にとって、叔父の藤原道長はそんな存在だったようだ。

【写真】京都・宇治市の平等院。藤原頼通が、父である道長の別荘を寺院に改めた

よく知られているのが、2人が競弓で対決したときのエピソードである。この頃、すでに摂政・関白として権勢を振るった藤原兼家は没して、長男の藤原道隆が権力を掌握していた。

大河ドラマ「光る君へ」では、道隆が弟の道長に「弓比べをみていけ」と競弓イベントに誘い、会場に着くと「道長、相手をせよ」とやや強引に息子の伊周の相手をさせた。

だが、『大鏡』では様子が異なる。道長自身がアグレッシブに、伊周のところへ乗り込んでいる。伊周は「お誘いしていないのに変だ」(思ひがけずあやし)と訝しがったらしい。

『大鏡』での道長は、競弓で伊周を圧倒。納得しない道隆やギャラリーからの声で、延長戦に渋々応じると、道長は「自分の家から天皇や皇后がお立ちになるべきなら、この矢当たれ!」(道長が家より帝、后立ち給ふべきものならば、この矢当たれ)と言って、見事に的中させた。

続く伊周がプレッシャーに押しつぶされて的から外すと、道長は「自分が摂政、関白になるべきなら、この矢当たれ!」(「摂政・関白すべきものならば、この矢当たれ」)と言って、矢を射ったところ、またも中心にあてることに成功。次は伊周の番だが、 道隆に 「もう射るな、射るな」 と制止されている。これ以上、息子に恥をかかせたくないというわけだ。

伊周は突如、現れた道長によって、競弓イベントを台無しにされる格好となった。2人の後継者戦いは道隆の死後、いよいよ本格化していく。

不穏なウワサに焦った伊周の迂闊さ

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