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日本復活への「本当の経済成長戦略」を提案しよう カネを経済成長のために使うのは大間違いだ

東洋経済オンライン / 2024年5月18日 8時30分

6月からは「定額減税」が始まる。岸田文雄首相は「元気な日本を取り戻す」と言うが、筆者は「経済政策は不要だ」と断言する(写真:ブルームバーグ)

告白する。

私は、金融市場にも経済にも関心がない。食べていくためにやっているだけだ。読者の関心の中心は金融市場だし、経済学者に対してもファイナンス研究のニーズは強い。

もう1つ告白すると、経済学者になろうと思った理由は、ノーベル経済学賞を獲って、授賞式のスピーチで「経済なんてどうでもいい」と言い放つためだった。

なぜ経済は重要性が低く、経済政策はいらないのか

しかし、その野望もはるか昔についえた今、ここでほえることにする。

経済は重要性が低い。経済政策はいらない。

実は同じことを、国会でも言い放ってしまった。2023年2月のことであるが、衆議院予算委員会公聴会で「経済政策はいらない」という資料で話をした(万が一ご関心がある方はこちらを参照)。

なぜ、経済は相対的に重要でないか。それは、経済は社会のための手段にすぎないからだ。金融と金融市場は経済を支える手段でしかないのと同様に、経済は健全な社会のための手段でしかない。下部構造という概念は誤り、少なくともミスリーディングだ。経済が社会の基礎、中心になっている倒錯した社会になってしまった資本主義社会の批判としては正しいが……。

今回は、大事なことだけを話す。もう時間がないからだ。なぜなら、人々も政府も、経済にだけとらわれ、社会よりも経済を優先し、「まずは経済、経済あっての社会」だと考え、カネをすべて経済成長のために使おうとしているからだ。

しかし、経済は、彼ら、彼女らの望んだほどにはいっこうに成長せず、社会はどんどん疲弊し、悪くなっている。なぜか。それは、皮肉なことに、経済のためにカネとエネルギーを使っているからだ。

「経済成長戦略」の本質は「人を育てること」である

経済は、健全な社会が土台になければ、発展しない。それなのに、社会を犠牲にして、経済を成長させようとしている。うまくいくわけがない。

だから今日は、経済ではなく、社会をよくするための政策を提案する。そして、それが「私の経済成長戦略」である。社会が健全になれば、経済は健全に発展していく。健全な経済は健全な社会に宿る。だから、社会のための政策こそが経済の健全発展戦略になるのである。

ではどうするか。人を育てるしかない。社会は人でできている。だから、材料の人を良くすれば、社会は良くなる。いくら社会の仕組みをいじっても、素材が悪ければ、できた料理はまずい。

昨今、社会の仕組みを下手に作ってしまったために、さまざまな矛盾が噴出して困ってしまい、つじつま合わせに、無理やり人を増やそうとしている国がある。うまくいくはずがない。

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