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中国政府の「不動産買い取り政策」は簡単ではない 6年ぶりの「上海ウォッチング」で考えたこと

東洋経済オンライン / 2024年5月25日 8時30分

不動産バブルがはじけ、デフレ状態ともいわれる中国。筆者は6年ぶりに上海に行ってきた(写真:ブルームバーグ)

つい先日、実に6年ぶりで上海に出張してきた。

コロナが明けたとはいえ、中国に入国する際には今はビザが必要になる。これを取得する作業がまことにシンドイので、今回は招待先の上海日本商工クラブさんに「アライバルビザ」なるものをご用意いただいた。

「ちゃんとした招待」でも、入国審査官はやたら神経質

虹橋(ホンチャオ)空港の「イミグレ」(入国審査)に向かう途中、体温検査のサーモグラフィーがある手前に、ビザ発給の窓口がある。

ここで持参したアライバルビザの書式を提出すると、10分ぐらい待たされるけれども、ちゃんとパスポートにビザを張り付けてくれる。この間、写真1枚と現金206元(約4120円)を用意する必要あり。

それでもイミグレの係員が、パスポートを神経質にチェックする様子には少々驚いた。筆者が最後に上海を訪問したのは2018年夏のことで、そのときの見聞もこの連載の「上海『シェア自転車』ブームはもう去っていた」(2018年9月1日配信)で取り上げている。

その頃はイミグレの雰囲気はきわめてあけっぴろげで、「さすがは上海、外国人に対してフレンドリーだなあ」と感心したことを思い出す。「彼は昔の彼ならず」、といったところだろうか。

思えば、あれからいろんなことがあった。特に2022年春の「上海ロックダウン」は、人々の心に深い傷跡を残したのではないかと思う。人口約2500万人という巨大都市が完全封鎖され、皆が「家から出られない」状態が2カ月間も続いた。ただしその頃には、新型コロナウイルスは弱毒型のオミクロン株に入れ替わっていたから、あそこまで「ゼロコロナ政策」にこだわる必要があったのだろうか。

ともあれ、心を病む人が出たとしてもまったく不思議はない過酷な状況であった。現地駐在員も、お酒が入ったときなどはつい「あのときはねえ……」という言葉が漏れたりする。他方では、ロックダウン期間中は住民同士が配給品を交換するなど、同じマンション内でも「自治の精神」が強まったという証言も耳にした。

さっそく上海市内を見物して回る。高速道路を行き交うクルマの群れを観察すると、「目の子」で3割から4割程度のクルマがグリーンのナンバープレートである。これすなわちEVを意味している。普通のガソリン車のプレートは濃いブルーなのである。

EV高普及率に納得、今はバッテリー交換業者が乱立状態

6年前の上海の路上は、グリーンのナンバーはせいぜい全体の1割程度にすぎなかったから、いかにEVが増えたかということになる。この間にいったい何が起きたのか。

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