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「1浪東大合格後に京大受験」彼が驚く選択した訳 浪人して進学したもののアメフトに熱中し…

東洋経済オンライン / 2024年7月28日 8時0分

この施設で実際に教えていた野球部の子たちは、京大のアメフト部に入り、同じ代で主将と副将を務めたこともあったそうです。

肝心の後藤さん自身も、大学での勉強を真面目に取り組み、2回生から無事、希望していた航空宇宙工学専攻に進みました。大学院でも工学研究科航空宇宙工学専攻航空宇宙力学講座に順当に進み、指導教授のもとで研究し、修士号を取った後藤さん。北野高校の生徒を教える活動も、大学院修了後まで続けました。

進路に悩む中で見つけた自分の道

こうして勉学とアメフトに学生生活を捧げた後藤さん。大学院のときに、就職活動をすることも考えたそうですが、自分が教えた生徒が京大に入ることで指導の面白さに目覚め、進路についてはしばらく悩んでいました。

「ひょっとしたら大学院で共同研究をしていた大企業に就職できるかもしれないとも思ったのですが、京大に生徒を送り込む活動があまりにも面白かったので悩んだんです。

もともと『数学が嫌い』と言ってた子が、『おもろいやん!』って言ってくれた瞬間が、本当にとても楽しかったんですね。それで、『自分はホンマに航空宇宙の道に進みたいのか?』と考えたんです。いろいろと悩んだのですが、今やっているこんなに面白いことを手放すべきなのか?と考えて、『おもろく生きるならこっちや!』と、塾で教える道を選びました」

現在は京大に生徒を送り込む施設自体はなくなったものの、大手塾や個人塾などさまざまな場所で働きつつ、株式会社ウィルで教育事業に関わっているという後藤さん。

今はかつて、自分がおろそかにして失敗した「基礎の大事さ」を生徒に伝えています。

「指導者が人生を変える」

「自分は浪人をしたことで、基礎をめっちゃ大切にするようになりました。浪人時代に基礎を大切にしたらいろんなものにつながっていく感覚を知れて、とても面白かったですし、4回生〜大学院にかけて研究をしているときに、難しくて全然わからなかったら、基礎に立ち返ったことでさらにその重要性に思いを馳せるようになりました。

僕は指導者が人生を変えると思っています。高校のときはその重要性に気づかなかったのですが、3年間担任してくれた先生が『これさえわかっていれば、どんなに難しい問題も1人で考えられるよ』と問題の考え方を教えてくれなかったら、東大に受かることはできなかったと思います。だから自分も、教える子たちにも基礎の大事さを伝えていきたいです」

人からは紆余曲折の人生に思われても、つねに自分が臨む道、面白い道を選んできた後藤さんの人生からは、浪人時代に基礎の鍛錬を通じて培った、人間としての一本の芯を感じることができました。

後藤さんの浪人生活の教訓:人生を形作るには、何事も基礎が大事

濱井 正吾:教育系ライター

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