「日本発の株価大暴落」はまだ終わっていない 暴落は収束したかに見えて何度もやって来る
東洋経済オンライン / 2024年8月10日 9時30分
ついに株価暴落が始まった。2024年8月5日の日経平均株価は4451円安となったが、これは1987年10月20日(10月19日のアメリカのブラックマンデー翌日)の3836円を暴落幅で超え過去最大、暴落率でもそれに次ぐ史上2番目となった。
過去に暴落は何度もあるが、例えば2008年のリーマンショックは、証券大手のリーマン・ブラザーズの破綻がきっかけだった。だが、明確なきっかけのない暴落もある。その中で有名なのは、前出の1987年のブラックマンデーと、実は1929年の大暴落だ。
暴落はまだ終わっていない
では、今回の日本の暴落「ブラックマンデー2024」は、1987年に近いのだろうか、それとも1929年に近いのだろうか。
読者の多くは失笑するだろう。「もう危機は去った。1929年の大暴落を持ち出すなんてありえないし、1987年との比較で見ても、今回の日経平均は暴落直前だった8月2日の終値3万5909円には届いていないが、9日までには大半を取り戻して3万5000円台を回復したじゃないか。結局、ちょっとした調整だったんだよ」。それが一般的な見解だろう。
違うと思う。まだ、今後どうなるか、わからない。なぜなら、まだ今回の暴落局面は終わっていないからだ。危機はこれからだ。
実は、1987年も1929年も、暴落は何度も起きた。そして、何度も収束したかに見えて、1929年などはその後、さらに大きな暴落がやってきている。だから最初のクラッシュにおいて、その原因を的確に把握すれば、次のより大きなクラッシュは防ぐことができるのだ。
一方、危機でもないのに危機だと騒ぐことで、新しい危機を作ってしまう可能性もある。ここで冷静に考えてみよう。
資産バブル崩壊を考察する際の「3つの軸」
資産バブル崩壊は、いくつかに分類することができる。その際に重要な軸は3つである。
(1)銀行が巻き込まれているか否か
これが、バブルが経済を破壊するかしないかを決める最大のポイントだ。銀行が資産バブル崩壊に巻き込まれ、損失を抱えたり、破綻したりすれば、資産バブルとは無関係に地道に事業を行っていた町工場にも波及する。
不動産バブルがなぜいつも悲惨なのかは、これが理由だ。不動産投資には借り入れを伴うので、不動産バブル崩壊は必ず銀行を破綻させる。リーマンショックに至ったサブプライムショックも、日本の1980年代後半のバブルも典型的だ。
金融当局が銀行を監督していても、「シャドーバンキング」と呼ばれる銀行以外のファイナンススキーム(お金の調達の方法や枠組み)を組むことで、当局の監督を回避してバブルが膨らむのも典型だ。
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