「10浪で医学部失敗」彼が取った"まさかの決断" 長い浪人生活での学び、現在の仕事に生きる事
東洋経済オンライン / 2024年8月18日 8時0分
浪人という選択を取る人が20年前と比べて1/2になっている現在。「浪人してでもこういう大学に行きたい」という人が減っている中で、浪人はどう人を変えるのでしょうか?また、浪人したことによってどんなことが起こるのでしょうか? 自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した経験のある濱井正吾氏が、いろんな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったことや頑張れた理由などを追求していきます。
今回は医学部を目指して10浪したものの、医学部を諦めて、長崎大学薬学部に進学。現在は家庭教師塾・名門会の社員として働く尾形祐樹さんにお話を伺いました。
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10浪して医学部を目指すも、違う道を選ぶ
医学部を目指して10浪を経験した尾形祐樹さん。
彼が現役時に受けたセンター試験の結果は58%。国語の偏差値は35しかありませんでした。
それでも10年の受験勉強を経て、偏差値を格段に伸ばし、最難関以外は医学部に合格できる水準にまで持っていくことができました。
結局彼は医学部を諦めて、違う道を選んだものの、その10年の経験がとても生きていると尾形さんは語ります。
なぜ10年間もの長い間、医学部を目指したのか。その経験は、今どのような形で役立っているのか。
長い彼の浪人人生と、そこでの学びを紐解いていきます。
尾形さんは、熊本県熊本市に3人兄弟の長男として生まれました。父親は高校を中退してサラリーマン、母親は地元の短大を出て、尾形さんの祖父の会社の手伝いをしていました。
尾形さんは、幼少期の自身の性格を「引っ込み思案だった」と振り返ります。
「人に自分の考えを伝えることがすごく苦手な子どもでした。たとえば、親と一緒に買い物に行っても、『これください』が言えなかったんです。話す前に、『これってどうやって注文したらいいんだろう?』と考え込んでしまう子どもでした」
一方で、自身がやりたいことに関しては熱中して行動するようなタイプ。よくレゴを組み立てたり、テレビゲームをして遊んでいました。興味があることに集中する尾形さんは、地元の公立小学校では真ん中より上くらいの成績を取ることができました。
自分の意思で中学受験を決意したが…
このまま公立中学校に上がるかと思いきや、尾形さんは自分の意思で、6年生の初めに中学受験を決意。受験勉強をスタートさせます。
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