「もしトラ」より難しい「もしハリ」を予想しよう ハリス大統領候補の政策はまだよくわからない
東洋経済オンライン / 2024年8月31日 9時30分
いわく。「ハリス大統領」が何を目指しているのかは、気持ちが悪いほど曖昧なままだ。彼女は深い信念とは無縁な人物で、バイデン氏と同様、党にあわせて立ち位置を変える。彼女が以前に大統領選に出馬したときの公約(民間医療保険の廃止、シェール開発の禁止、越境の非犯罪化など)は、あっけなく放棄された。
彼女はトランプ氏が言うような左翼的イデオローグではないのだろう。現実主義者なのは政治家として結構なことだ。ただし「理念なきプラグマティズム」は危うい。優先順位のない大統領は、目の前の出来事に流されてしまう。海外からの挑戦を受ける恐れもある……。
確かにそうなのだ。トランプに勝てればそれでいい、というものではない。大統領として4年の任期に何を目指すのか、ちゃんと有権者に示さなければならない。以前に掲げていた政策を変えるのも結構だが、その場合はちゃんと理由を説明すべきである。
ところがハリス陣営は今のところは安全運転で、今のところ記者会見さえ行っていない。8月29日にようやく初のインタビューをCNNから受けるが、それも生放送ではなくて事前収録である。さすがに過保護すぎるのではないか。
確かに準備不足なのは致し方ない。しかし、メディアから逃げ回っているように見えるのは情けない。トランプさんはときに支離滅裂な会見をするけれども、ちゃんと敵対的な記者たちの前に出てくるではないか。
「もしハリ」で考えられる「3つの材料」とは?
そこで「もしハリ」について、現時点で考えられる材料をいくつか挙げておこう。第1にハリス氏はかなり柔軟だということである。前回の大統領選ではかなり左寄りの政策を掲げていたものの、今回は大胆に中道に寄せてきた。何しろ「シェール開発禁止」なんて言っていたら、油田があるペンシルベニア州では負けちゃうからね。
彼女は自前の経済政策として、食品価格の統制と住宅費補助を打ち出している。これらはさっそくメディアの批判を浴びている。価格統制は市場介入みたいだし、住宅費補助は不動産価格を引き上げてしまいそうで、いかにも筋が悪い。細部が発表されていないところをみると、たぶん深追いはしないだろう。まだ試行錯誤の途中という感がある。
面白いのは、彼女がトランプさんの公約である「チップ非課税」を、平気で真似する構えであること。これはレストラン従業員などいわゆる「ホスピタリティワーカー」狙いの政策だが、いいポイントを突いている。
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