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ライオンCM「警告音に似ていて物議」が必然のワケ 「テレビCMの音」の重要性は年々増している

東洋経済オンライン / 2024年9月5日 13時57分

例えば、CMの中にスマホの着信音や、玄関のインターホンの音を入れると、視聴者の注意を引くことはできる。実際にそのようなCMもある。その反面、視聴者から「紛らわしい」と思われる可能性も高い。

そこまででなくとも、耳に残る音は注意を引くだけでなく、記憶に残すこともできる。

例えば、「ライザップ」と聞いて、テレビCMで放映された独特のBGMを想起する人、日清食品チキンラーメンのCMの「ポン ポン スポポン」というフレーズが頭に残っている人も多いだろう。

こうしたCMを「うっとうしい」と思う人も一定数いて、SNS上でも批判的な投稿が散見される。比例関係にあるとまでは言えないが、効果が高いCMほど、不快に思う人も増える傾向がある。

実はテレビCMの音に関しては規制があり、近年強化される傾向にある。2012年10月より、テレビ番組やCMの新たな音量評価指標「音声レベル運用規準(ラウドネス)」の運用が行われている。これによって、テレビCMを含むテレビ放送の音量が規格化されることになった。

2015年8月には、酒類の業界団体が、アルコール飲料のCMで使われる「ゴクゴク」などの効果音がアルコール依存症者や未成年の飲酒意欲を煽るとして、今後は使用しないことを決定している。

いずれも法規制ではなく、自主規制だが、視聴者がテレビCMの音に対して敏感になっていること、広告の公共性が重視されていることが見てとれる。

街中の音が小さくなっている?

最近、都市部で目にするようになったアドトラック(宣伝カー)についても、拡声器の音が問題になっており、自治体レベルで規制が強化され始めている。

SNSの普及により、視聴者、消費者が自由に発言できるようになり、その声を企業側も気にするようになったことも大きい。

しかし、その一方で、「どこまで彼らの意見を汲み取るべきか?」という問題も生じてくる。

筆者は職業柄、テレビ番組よりもCMのほうを意識して視聴しているので、テレビCMの音が気になることはほとんどない。むしろ、バラエティ番組の効果音のほうがうるさく感じ、過剰演出をしているように思えてしまう。

最近では、年越しの除夜の鐘にも「うるさい」と苦情が来て中止せざるをえない状況だ。盆踊りでも同様のことが起こり始めている。

筆者は、都内で行われている野外イベントにほぼ毎年通っているのだが、昨年あたりから野外ライブの音量が下がり、迫力がなくなったと実感させられた。周辺地域からの苦情を考えて、音量を下げているものと思われる。

世間の声を聞きながら都度対応するしかない

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