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平井一夫「仕事は自己を滅してするもの」は間違い 自分の人生はまず自分の中での優先順位を大切に

東洋経済オンライン / 2024年10月8日 18時0分

どうしたらうまくいくのかは、自分でいろいろなことを体験する中で確立していくしかない。だからこそ、自分というものをしっかり持っていなくてはいけません(2019年撮影:尾形文繁)

日本を代表する企業・ソニーを襲った経営危機を立て直し、ソニー再生の立役者となった平井一夫氏。平井氏は「お金、会社、出世のために働いてはいけない」と言う。自分の人生を豊かに、幸せに生きるために、これからのビジネスパーソンはいかに働くべきか、自身の著書『仕事を人生の目的にするな』より紹介する。

自分のために働こう

まずお伝えしておきたいのは、先の見えない時代だからこそ、「自分」というものをしっかり持って生きていくこと、自分のために働くということが、このうえなく大切だということです。

誰も正解を教えてくれません。教えてくれないどころか、1つの正解なんてないのが仕事、もっと言えば世の中というものです。特にここ数十年の日本経済には、あまり明るい材料がありません。バブル崩壊後の停滞は「失われた30年」とも呼ばれ、しかもいまだにそこから抜け出す光明は見られません。目まぐるしくトレンドが移り変わり、どんな業界に「張れば」いいのかと、皆迷っています。

もちろん、いつの時代も、誰も、未来のことを明確に見通せたことはありません。ただ、その中でもとりわけ見通しが利きづらくて、誰もが不安や悩みを抱えているのが今の日本の実情でしょう。

2021年、私は「あらゆる子どもに、きっかけになる、感動体験をつくる。」をミッションに掲げ、「一般社団法人プロジェクト希望」を立ち上げました。そこで出会う子どもたちや、講演先などで接する10代の若者たち、そのご両親たちを見ていても、「みんな、先が見えない中で迷っているんだな」とよく感じます。

時代は大きく変わっていますから、あなたのご両親や上司が知っている成功法則が現代にも当てはまるとは限りません。それどころか、「失われた30年」を思うと、あなたのご両親や上司は、おそらくバブル崩壊後に社会人になった世代でしょう。

その間、日本経済はずっと停滞しているわけですから、そもそも自分たちなりの成功法則すら持ち合わせていない世代の人たちが、あなたの親となり上司となっている可能性が高いのです。

ともあれ、どうしたらうまくいくのかは、自分でいろいろなことを体験する中で確立していくしかない。だからこそ、自分というものをしっかり持っていなくてはいけません。

大切なのは自分の中の優先順位

何をしたいのか、何を大切にしたいのか、どう生きたいのか。仕事は自己を滅して従事するものだという考え方もありますが、私は反対です。ほかでもない自分の人生なのですから、まず自分の中での優先順位を大切にすべきでしょう。

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