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日本復活に「経済政策」は不要どころか、逆効果だ 石破政権が今本当にやるべきこととは何なのか

東洋経済オンライン / 2024年11月2日 8時30分

短期で行うべき経済政策とは若年層の失業対策に尽きる。つまり、若年層、学卒者に対して、社会的基盤を提供することが最重要なのである。中期の供給力も、労働者の人的資本の蓄積がすべてであるが、その支援の枠組みは、企業を通じるものではなく、個々人に直接働きかける仕組みが必要である。

そして、リスキリングの議論で見たように、現代の目まぐるしい変化、多様性に応じて、個々人が本人の判断とやる気で行うものである。政府が行うべきは、学び直しの機会ではなく、学び直しが必要なときに自分でできる、判断力、気力、好奇心、働く意欲を幼児教育、小学校、中学校のときに身に着けさせることである。

つまり、本人の心の中に基盤を作ることを助けるのである。このような基礎力を身に付ける質の高い義務教育のインフラを整備することである。これぞ、国家最大の社会インフラ、社会資本である。このような国民で構成される社会、国家は、素晴らしい社会であり、国家となるだろう。

これで、21世紀の今、行うべき経済政策は明確になった。いい社会を作るための基盤、社会資本を蓄積することである。それにより、いい社会が実現すれば、自然に経済発展はついてくるのであり、いい社会に基づかない経済膨張は持続可能でないのである。

景気対策は要らない。必要なのは、若年層、新卒者に必要な仕事、それも勉強になり、人的資本の蓄積を、仕事をしながら促すような仕事である。
産業政策も要らない。リスキリングも要らない。必要なのは、質の高い幼児教育、義務教育である。

少子化、移民政策を、経済政策として考えてはいけない。今目の前にいる、子供、学生、若者を大切に育てることである。

社会資本の蓄積を促す「6つの具体的な提言」

具体的な例を挙げていこう。以下は考え方を示すための政策の事例であり、個々の事例にはさまざまな賛否があろう。以下、ここで示したいのは、個々の問題に対する現象対応の具体的な政策の細部についてではない。

「社会資本の蓄積を促す政策によって、持続的な社会、経済発展を目指すという考え方に沿う政策とはこういうものだ」「こういう考え方で政策を立案するべきだ」、という考え方の提言であり、その事例である。

(1)新卒一括採用は効率的だが、採用プロセスの双方の効率性に走りすぎているから、何度か試行錯誤するプロセスを組み込んだほうがいい。また数年後、ほぼすべての若者が転職あるいは学校に行き直し、キャリアアップするような若年労働市場にすべきである。また、もし政府が経団連に圧力をかけるのではあれば、それは賃金アップではなく、新卒一括採用の全面的禁止である。「シューカツ」の撤廃である。これが短期景気対策の代わりである。低所得者への支援は経済対策ではなく社会政策として行う。

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