半導体のラピダスはこのままでは99.7%失敗する 成功するためにはいったい何をすればいいのか
東洋経済オンライン / 2024年11月16日 8時30分
またしても、日本政府は「必ず失敗するプロジェクト」に4兆円以上とも言われる資金を投入しようとしているようだ。最先端の半導体量産(2027年)を目指すラピダスだ。
「ラピダスが苦戦する」と考える「3つの理由」とは?
筆者が「失敗する」と断言する理由は、それこそ山のようにある。まず、場所(北海道千歳市)が悪い。輸送コストもかかり、人材など半導体関連のリソースも少ない。半導体製造に向く水質でない。なぜ、そんなところに作ったのだろうか。政治的理由からだろう。ほぼ失敗確定である。しかし、場所の問題という次元ではない。どこに作っても失敗必然だろう。
第2に、提携先がよくない。すでに勝ちが確定している企業ではない。ファウンドリー(受託製造企業)中心とするならば、提携先はすでに勝ち組となっているか、圧勝確定の相手でなくてはならない。
さらにいえば、提携先がいる時点で負けである。ファウンドリーの良いところは、製造に特化しているから、すべての企業の設計の半導体を受注できる可能性のあることだ。だから、結果的に必ず勝ち組と組むことになる。半導体の競争は激しいし、流行も移ろう。
半導体では、インテルが没落し、エヌビディアが絶頂を謳歌しているが、数年後にはまったく変わっているだろう。誰が絶頂かはわからないが、変わっていることだけはわかる。
誰が勝つかわからないから、研究と開発と製造とが、それぞれ分離したのだから、提携してしまっては、意味がない。インテルが没落したのは、両方やろうとしたからだ。もちろん、10年後には、もう一度、分離ではなく、垂直統合が流行になっているかもしれない。しかし、分離してファウンドリーにしたり、研究あるいは開発に特化したりするのは、少しでも流行に左右されないようにする、当面10年間の防衛戦略だ。
こうした防衛戦略は、製薬業界では、15年前ぐらいから進んできたストーリーだ。メガファーマと呼ばれる欧米の巨大医薬企業は、バイオベンチャーなどスタートアップ企業に研究を任せる。そして、その後の開発(治験など)や量産に関しては、スケールメリットを利かせることのできるメガファーマが担当。グローバルネットワークを存分に生かし、各国当局との関係や病院、医師との関係なども易化し生かし、売りまくる。
そして、バイオベンチャーからの人材、チームの引き抜き、あるいは企業丸ごと買収などいずれの価格も、メガファーマの間での獲得競争から、ベンチャーサイドが極端な高値を要求して来るようになる。
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