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ホンダ「フリード」新旧比較で見るヒットの法則 ちょうどいいサイズ感はそのまま熟成が進んだ

東洋経済オンライン / 2024年11月21日 11時30分

新型フリードは、とくにハイブリッド車に注目したい。先代の1モーター式ハイブリッドシステム(スポーツハイブリッドi-DCD)から、走行用と充電用のモーター2基を装備する独自のe:HEVに変更されたからだ。

ホンダのe:HEVは、発進や市街地の低速走行時などはモーターのみで走行するEVモードを使用。加速時などはエンジンで発電し、モーターで走行するハイブリッドモードに切り替わる。さらに高速道路などでは主にエンジンの駆動力を使うエンジンモードで走行する。e:HEVは、これら各モードを状況に応じて使い分けることで、スムーズな走りと優れた燃費性能を両立することが特徴だ。

とくに新型フリードのe:HEVは、コンパクトSUV「ヴェゼル」などに採用する新世代の1.5Lエンジンとe:HEVを搭載。エンジンの最高出力78kW(106PS)/6000~6400rpm、最大トルク127N・m(13.0kgf-m)/4500~5000rpmといったスペックもヴェゼルと同じだ。

なお、先代のハイブリッド車は、エンジンのスペックが最高出力81kW(110PS)/6000rpm、最大トルク134N・m(13.7kgf-m)/5000rpm。エンジンだけを比較すると、新型の出力やトルクが多少低い印象も受ける。ただし、走行用モーターに関しては、先代の最高出力22kW(29.5PS)、最大トルク160N・m(16.3kgf-m)に対し、新型は最高出力90kW(123PS)、最大トルク253N・m(25.8kgf-m)と圧倒的にパワフルだ。

とくに新型が採用するe:HEVは、モーターで走行するシーンも多いため、出力やトルクをかなり増大している。しかも、燃費性能(WLTCモード値)は、先代のハイブリッド車が19.8~20.9km/Lなのに対し、新型のハイブリッド車は21.1~25.6km/L。燃費の面で、新型はかなりの向上をみせている。

ほかにも新型モデルでは、ハイブリッド・ガソリン両タイプの4WD車に独自の「リアルタイムAWD」も搭載。路面や車両の状態をクルマが判断し、4輪への駆動力を瞬時に最適配分するシステムだ。とくに、e:HEVとのマッチングでは、モータードライブの特徴である大トルクを、素早く最適に駆動配分することで、雪道やウエット路面などスリップしやすいロケーションなどでも、安定感のある走りを提供するという。

ちなみに、新旧モデルのガソリン車は、どちらも1.5L(1496cc)・直列4気筒エンジンを搭載。スペックは、先代が最高出力95kW(129PS)/6600rpm、最大トルク153N・m(15.6kgf-m)/4600rpm。一方、新型は最高出力87kW(118PS)/6600rpm、最大トルク142N・m(14.5kgf-m)/4300rpm。数値上の出力やトルクは先代モデルのほうがやや高いが、この程度の差なら実際はほぼ互角だろう。

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