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「中居正広とフジ」叩く人の"正義"に欠けた視点 厳罰を求める一方で、大事なことが忘れられている

東洋経済オンライン / 2025年1月10日 13時30分

もし相手女性が「私のことがきっかけでこんな話にまで及んでしまった」「もうこんなひどい言葉が飛び交う世の中では生きていけない」などと思い詰めて取り返しのつかない事態になってしまったら……。あくまで優先されるべきは、中居さんへの懲罰感情ではなく、被害者保護であり、彼を断罪するために被害者を苦しめるようなことはあってはならないのです。

事実は明らかになっていない

2つ目の論点は、週刊誌報道や「疑惑」との向き合い方。

現時点で主に事実とされているのは、中居さんの代理人弁護士が話した「女性とのトラブルを話し合いによって解決した」「互いに守秘義務があり、対外的にお答えすることはない」の2点。

また、中居さん自身のコメントでも「トラブルがあったことは事実」「示談が成立し、解決している」「暴力は一切ない」ことが語られました。しかし、相手女性の素性、トラブルの詳細、示談の内容などは明かされておらず、週刊誌報道による疑惑という段階です。

その後も連日数え切れないほどの記事やコメントがアップされていますが、裏付けとして十分なものはまだありません。守秘義務があるため本人たちは語らず、臆測が飛び交い、中身はあいまいなまま騒ぎだけが大きくなっています。

つまり現状は、「当事者は黙っているのに、無関係の人々が勝手にさわいでいるだけ」ということ。一部報道で女性の「許せない」というコメントがフィーチャーされていますが、本心からの発言だとしても、「どの程度の思いを込めて発せられたのかはわからず、複雑な感情の一部分を切り取ったもの」という可能性があるレベルでしょう。

「許せない」とあおる週刊誌

一方、週刊誌サイドにしてみれば、「許せない」をフィーチャーすることで人々の大きな反響を得ました。実際、「人々の怒りを集め、多くの臆測を生み出し、続報につなげて稼ぐ」というビジネスとしての広がりを見せています。

週刊誌サイドがビジネスライクになるほど被害者保護の論点が希薄になり、その結果ネット上での特定が進んでしまうなど、セカンドレイプのような状態につながってしまいました。

現在の状況を客観的に見ると、“ビジネスのために扇動する週刊誌”と“扇動される世間の人々”という図式であり、両者の共通点は被害者置き去りで騒動を拡大化させていること。

ある記事のコメント欄に「今騒いでる人たちって結局週刊誌に踊らされてるだけじゃん あんたらメディア嫌いだったん違うの? 芯無さすぎだろ」という指摘がありました。「週刊誌報道なんて信じない」と思っていたのに、今回はおおむね信じ、臆測を含めて批判していないか。自分の胸に手を当てて考えてみてください。

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