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物価高でも割安、北欧「弾丸フェリー旅」楽しみ方 オスロとコペンハーゲンを結ぶ0泊3日の旅

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 6時30分

フェリーの本業である物流も日本より合理化が進んでいた。トラック輸送が旺盛なこと、トレーラートラックが多く、実際にフェリーで運ぶのはトレーラーの牽引される荷物部分だけというのは日本でも同様であるが、そのトレーラーをフェリーに出し入れするのは、専用のデュアルオートといって前後方向、どちらの向きにも運転台の向きが変わる車両が出し入れしていた。これは日本では見たことがない特殊車両である。トレーラーはフェリーから引き出してから、公道を行く運転台部分に付け替えられる。

予約はホテル予約サイトでも

このプランはホテル予約サイトで確保できるというのもユニークな点である。オスロで2泊分の予約照会をすると、ホテルなどの宿泊施設とともに、フェリー2泊のコペンハーゲン行きプランが出てくる。確かにオスロ2泊には間違いないが、肝心のオスロには滞在できず、コペンハーゲンへ往復するのである。大阪の宿を2泊分照会したら、大分往復のフェリーが出てくるようなものである。

しかし、筆者もオスロの宿を探していて、このプランを見つけることができ、面白いので予約してみた。予約手続きはいたって簡単で、宿同様にホテル予約サイトで決済、フェリー乗場へ行き、パスポートを見せるだけで船室のカードキーが渡された。

筆者はなるべく寛げる旅が好みなので、北欧ではフェリーを多く使った経験がある。デンマーク―スウェーデン、デンマーク―ドイツ、スウェーデン―フィンランド、フィンランド―エストニア間など。定期航路が多く、どの路線も多くの乗客で賑わっていて、設備も優れている。日本では乗員が少なく、いかに少ない乗員で効率化を図るかに重きが置かれているが、北欧では多くの乗員できめ細かなサービスを提供している感じがあり、それもクルーズ船気分に近いのであろう。

ちなみに、クルーズ船ではなく、世界最大の定期船もノルウェーにあり、カラーラインが運航するオスロ―キール(ドイツ)間の「カラー・マジック」が7万5100トンあり、世界最大となる。

アジア人の利用は旺盛なのに日本人は皆無

筆者が感じる残念なことは、日本人利用者がほとんどいないことであった。「北欧は物価が高いのでしょうがない」といわれるであろうが、アジア人観光客は多く、DFDSフェリー乗場には韓国語パンフレットまで用意されていたが、日本語のものはなかった。北欧の観光施設では、中国語は2種、韓国語、そしてタイ語の案内まであるにもかかわらず、日本語がなかったりする。「日本人が来ないのだから不要」ということになるのであろうが、かつて旅行会社に勤務していた身としては寂しい限りである。

「海外は何もかも高い」などと決めつけず、お得感のある旅を探して欲しいものである。コロナ禍、円安、世界各地の紛争を経て、日本人の旅行力は低下してしまったと感じる。日本人の旅行熱復活を望みたいものである。

谷川 一巳:交通ライター

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