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成田空港拡張計画で見えた、JR東と京成の温度差 効率化で「発着回数を年間50万回に拡大」が目標

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 14時0分

駅の規模を見ても、JR東日本の空港第2ビル駅は1面1線であり、終点の成田空港駅も島式ホームの1面2線と比較的小規模である。

対して、京成電鉄の空港第2ビル駅は島式ホームの1面2線、終点の成田空港駅は2面3線であるが、運行本数の多さから、番線を5つに分けるほど、複雑な運用を行っている状態である。

また、京成電鉄はスカイライナーを看板列車として、専用車両で高頻度で運行しているのに対し、JR東日本は成田エクスプレスの専用車両として開発されたE259系からNʼEXの文字を消し、房総特急など他の路線でも運用可能とするなど、空港アクセス特急に対するブランディングに消極的になりつつある。

複線化事業は大きな投資となる

このように、空港アクセス線に対する両社の注力の度合いは大きく異なるが、それはJR東日本が広範な運行エリアを持ち、京成電鉄に比べ、成田空港へのアクセス路線への優先順位が低く、特定の路線に対する経営資源の集中度が低いことに起因していると考えられる。

空港と都心を結ぶ鉄道アクセスの拡充は成田空港の拡張計画に向けて欠かせないものだろう。

しかし、JR東日本の現状を見ると、複線化への同意を得ることは簡単ではなく、成田空港へのアクセス路線において、かなり積極的な京成電鉄にとっても、複線化事業は大きな投資となるため、その決断には慎重にならざるを得ない。

成田空港会社は、目標とする年間50万回の発着回数の達成への道筋をより明確に示すことが必要である。そして、複線化工事への投資に見合うだけの輸送量の増加が見込めれば、JR東日本、京成電鉄の協力を得ることもできるだろう。

成田空港のさらなる発展は、日本国内のみならず、東アジアにおいても、国際空港としての地位を確固たるものにする。鉄道会社がその一翼を担い、経営上の大きなメリットとなるよう、関係者が一致団結しての取り組みに期待したい。

鐵坊主:鉄道解説系YouTuber 鉄道アナリスト

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