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予防歯科の先進国で「甘いケーキ」が日常の衝撃 日本の「歯磨きの仕方」ではむし歯は防げない

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 9時30分

スウェーデン・イエテボリ大学カリオロジー科にて(写真:『歯を磨いても むし歯は防げない』より)

「甘いものを食べる人ほど、むし歯になりやすい」は誤解だと知っていますか? 歯科医師の前田一義さんは、むし歯・歯周病予防をはじめとする日本人の歯と口のケアは、世界標準からかなり遅れているといいます。前田さんの著書『歯を磨いても むし歯は防げない』から、歯科医療世界一のスウェーデン式「世界標準のオーラルケア」の新常識を一部引用・再編集してご紹介します。

イエテボリ大学で出されたケーキの量に衝撃

上の写真は、歯科医学の分野で世界的に有名なスウェーデンのイエテボリ大学歯学部カリオロジー(むし歯学)科を表敬訪問したときのものです。私の歯科の師匠である岡本浩先生、竹内泰子先生にお供をして、お邪魔しました。

【画像】スウェーデン人は「砂糖を消費量」が日本人の約2倍

岡本先生は、日本人で初めてイエテボリ大学で勤務された、日本の歯周病学のパイオニアです。竹内先生は、イエテボリ大学への留学経験もお持ちです。

表敬訪問では、歯科医学について貴重なお話をいろいろ伺いました。その後、ケーキをご馳走になったのですが、驚いたのが、その量です。教授たちはそれぞれ手作りのケーキを持参され、ホール状のケーキがいくつも並ぶ中、みんなで切り分けて食べるのです。

切り分けられたケーキが私の目の前に何種類も置かれ、ふだんケーキを食べなれないこともあり、私には目の眩むような量でした。それも砂糖をたっぷり使い、とてつもなく甘いのです。

これらを教授たちは、ニコニコ顔でパクパク食べていました。私も全種類に手をつけましたが、さすがに完食は無理でした。

スウェーデン王立イエテボリ大学は、世界大学ランキング(2021年)で歯学部門1位の大学です。歯科研究機関として最高峰に位置します。いわば、むし歯にならない方法を知っている、プロ中のプロ。そんな人たちが、職場で大量の甘いケーキを食べている。「甘いもの」=「むし歯」でないことは私も知識として知っていますが、それを実感させられる出来事でした。

甘いものは、歯をむし歯にするむし歯菌にとって、格好のエサです。とはいえ、むし歯のメカニズムを知り、食べ方を工夫すれば、どれだけ甘いものを食べても、むし歯リスクは限りなくゼロに抑えられるのです。

たとえむし歯になっても、初期の段階で治療すれば、痛みもありません。イエテボリ大学の教授たちは、そのことを熟知しているから、ケーキを好きなだけ食べられるのです。

データで見る砂糖の摂取量と、むし歯の関係

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