アサヒがつくる「飲めない人も通える」バーの正体 おしゃれな渋谷のノンアルバーに集う人とは?
東洋経済オンライン / 2025年1月11日 7時30分
12月末、夜9時を迎えた東京・渋谷。忘年会の二次会へ向かうサラリーマンや若者、外国人観光客でごった返すセンター街で、ビルの5階へ上がっていく。そこに待っていたのは喧騒から遮断された会員制バーだった。
【写真7枚】渋谷の映えるスマドリバーはこんな感じ。ノンアル、低アルのカクテルだけでなく、フードメニューも充実
店内は薄暗く、バーテンダーをぐるりと囲むカウンター席やDJブースが洗練された雰囲気を醸し出す。一見、少し入りにくいおしゃれなバーだが、この店には秘密がある。
気分や好みに合わせてアルコール度数を0%または3%から選択できる、ノンアルコール・低アルコールカクテル専門店なのだ。20種類以上のドリンクに加え、飲み物に合うフードメニューも提供している。
店名は「THE 5th by SUMADORI-BAR(ザ フィフス バイ スマドリバー)」。アサヒビールと電通デジタルが共同で設立した会社「スマドリ」が2023年9月にオープンしている。
飲めなくてもバーに行こう!
「“Zazen(ザゼン)”を0%で」
都内に住む20代・大学院生の男性は、水出し玉露やハーブのエルダーフラワーなどで作るノンアルカクテルを注文していた。お酒に強いわけではないが、バーにはかねて憧れを持っていたという。
「バーには”お酒に強くて詳しい大人が行く場所"というイメージがある。ここでは疎外感を感じずに楽しめるのがうれしい」(男性)
同店が目指すのは「仕方なく選ぶお酒の代替品」と捉えられているノンアル飲料を、積極的に選ばれる大人の嗜好品にすること。主なターゲットはZ・ミレニアル世代の飲まない・飲めない人で、中でも嗜好品について語りたい人を重視している。
スマドリによれば、お酒を飲まない人にとって、バーは飲める人の行きつけの場所、隠れ家というイメージがある。お酒に対し、語れる嗜好品として憧れを持つ人も多いという。
だが、飲食店におけるノンアル飲料の選択肢は、大半がアサヒ「ドライゼロ」やサントリー「オールフリー」などのノンアルビール。もしくはソフトドリンクを注文せざるを得ないのが現状だ。
飲まなくても本格的なカクテルを語れる「ツウな常連客」になりたい。スマドリはそんなニーズに商機を見出したわけだ。
【写真7枚】渋谷の映えるスマドリバーはこんな感じ。おしゃれなノンアル、低アルのカクテルだけでなく、フードメニューも充実している
バーの運営を支えるのは、ノンアル飲料に精通したバーテンダー。
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