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「苦情で閉店→大行列店」47歳・つけ麺店主の格闘 つけ麺日本一「YOKOKURA STOREHOUSE」の流儀

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 8時30分

同じ頃、東京のカフェで「ただいま従業員は募集しておりません」という貼り紙を見て大変ショックを受ける。

ラーメン店はこんなに人が足りていないのに、カフェの求人には断らなければいけないほど応募が来ているのである。ラーメン店で働きたい人はなぜこんなに少ないんだろうと思った。

篠塚さんは小山の地で、東京の人たちを食べに来させられるお店を作ろうと決意する。

そうして、大行列店は産声をあげた

こうして、2019年「YOKOKURA STOREHOUSE」をオープン。

場所は小山市の横倉工業団地のど真ん中。工場の立ち並ぶ中、地域にあった外装、内装を模索し、インダストリアルな雰囲気のお店に仕上げた。地域や景観にあったお店作りを目指して作った。

「私はこの店では“従業員が働きたいと思える店作り”その一点にこだわりました。『こいつらと一緒に働きたい!』と思える店です。

ラーメンの味で業界を引っ張っている人はすでにいらっしゃいますし、手軽なお店で多くのお客さんを集めているラーメン店もたくさんあります。

その中で、自分にできることは何か、業界に何が残せるだろうと考えて、“働きたくなるラーメン店を作る”ということを目標にしました」(篠塚さん)

ラーメン店というとどうしても「修業」「独立」という言葉がついて回るが、ラーメン店で働くということにおいて選択肢はそれだけではない。このまま働き手がいなくなってはラーメンの歴史は止まってしまう。篠塚さんは「チームで働ける店」を目指した。

ラーメンだけでなく、店内にコーヒースタンドも作るなど新しい世界観を模索した。

オープン直後にコロナが襲来

しかし、オープンしてすぐコロナ禍に突入した。ご飯ものを出したり、テイクアウトをやったりといろいろと試行錯誤したがすぐにキャッシュが溶けてしまった。その後、お客さんに求められているものを磨いていかないといけないということで、メニューを絞って営業を続けた。

すると、2020年の途中から徐々にお客さんが戻ってくるようになった。神様が「生きろ」と言ってくれているんだと篠塚さんは気持ちを取り戻した。この頃、新たな仲間として鈴木貴也さんが加わり、店の雰囲気が一気に良くなってきた。

「飲食店をやっていてノーゲス(お客さんが一人もいない状態)のときがあると思います。ノーゲスは世界に80億人の人がいて誰一人に必要とされていないということ。これは正気の沙汰ではありません。

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