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「苦情で閉店→大行列店」47歳・つけ麺店主の格闘 つけ麺日本一「YOKOKURA STOREHOUSE」の流儀

東洋経済オンライン / 2025年1月11日 8時30分

こう考えてみると、来てくれるお客さん一人ひとりに感謝するようになります。

うちは幸いにもお客さんが毎日来てくださるお店ですが、行列のときも行列をさばくマインドではなく、最後の一人のお客さんにまで来てくれてありがとうという気持ちになるんです」(篠塚さん)

「YOKOKURA STOREHOUSE」はオープン前から20人ほど行列し、営業時間内に行列が途絶えることはない。週末は駐車場待ちも出るほどの大盛況だが、行列に並んだ最後の一人が食べ終わるまでしっかりと営業する。

売り切れ終了はできるだけないように努力し、営業時間は営業のために使い、その時間内に片付け始めることはないように心がけている。

「私は人との出会いに恵まれました。そこに自ずとお客さんの数もついてきたと思っています。“人”は食材以上に大きな価値です。この店を作ってから人が好きになりました。

チームが夢中になれるものならラーメンじゃなくても何でもいいと思っています。お客さんたちが『こいつら頑張ってるな』『いいチームだな』と思ってくれる店が理想です」(篠塚さん)

従業員の鈴木さんも「お金や名誉よりも、この店で働く楽しさや働き甲斐が大事だと感じるようになった」と話す。

今回の「つけ麺日本一決定戦」に出場することにおいても、迷いはあった。果たして日本一を獲る必要があるのかという議論にもなった。

しかし、篠塚さんはイベントで結果を残して、授賞式でラーメン店で働くことの誇りを伝えたかった。メンバーにもそれを伝えて、全力で出場することにした。

「イベントに出ていろんな人とつながれて、自分と同じような考えを持つ方が他にもいることを知りました。これがきっかけで同志が増えたら、日本中にいいお店が増えていくかもしれないなと思っています。我々は日本一に胡坐をかくことはありません。

先人には敬意を持ち、たとえ僕らが絶望に打ちのめされたとしても若者に希望を与えられる世代でありたいと思いますし、若い世代に『真剣に働くと仕事も面白い』ということを体現し、伝えたいと思っています」(篠塚さん)

後輩の世代になっても、誇れる店であり続けたい

日本一を獲得したら終わりではなく、常に全盛期ではないと意味がないと篠塚さんは考えている。これはたとえ、篠塚さんが引退し、後輩の時代になっても変わらない。

「YOKOKURA STOREHOUSE」は、小山の街にとって誇れるお店であることを目指し続けているのだ。

井手隊長:ラーメンライター/ミュージシャン

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