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「トランプ再び」を機にアメリカ信仰からの脱却を 「グローバル化の終わり」の先にある2つの方向

東洋経済オンライン / 2025年2月3日 15時30分

したがってやや単純化して対比すると、「グローバル化の終わり」の先の姿には大きく異なる2つの道があるのだ。

1つは“「強い拡大・成長」志向と一体となったナショナリズム”としてのそれであり、トランプ政権はまさにこれである。

もう一つはここで述べている「ローカリゼーション」であり、それは上述のように環境ないし持続可能性、コミュニティ、再分配等を重視しつつ、ローカルな経済循環から始めてナショナル、グローバルへと積み上げていくという姿である。

こうした方向は、先述の「持続可能な福祉社会(sustainable welfare society)」という社会像とそのままつながるし、私自身はこれからの地球社会の持続可能性や人々の幸福(ウェルビーイング)のためにはこの方向以外ないと考えている。

まとめよう。本稿ではトランプ政権の意味するものという議論から始め、アメリカ社会の特質と問題性、アメリカとロシアの対立の背景、「グローバル化の終わり」の先にある2つの方向といった話題にそくして私見を述べてきた。

トランプ就任を機に私たちが考えていくべきは、「アメリカ信仰」からの脱却そしてここで論じてきたような、これからの地球時代における新たな社会像の構想なのである。

広井 良典:京都大学 人と社会の未来研究院教授

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