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BMW新型「R1300GSアドベンチャー」王者の進化 ブランド初のオートマモードを採用した走り

東洋経済オンライン / 2025年2月8日 12時0分

大きな車体のビジュアルに圧倒されながらも、跨ってみると820mmのシート高と、手前に引かれたハンドルとシート位置の関係、さらに適切なステップ位置でコンパクトに感じた。そして実際に走らせてみると、前述しているがエンジン搭載位置の変更や小型・軽量化により、30Lの大型燃料タンクを備えているにもかかわらず、駐車場での取りまわしから走行時のロール方向のライダビリティーの向上は、前作をはるかに上まわる性能を感じた。

実際に、ガレージからの出し入れやガソリンスタンドでの給油といったと取りまわりも良好で、市街地走行時のレーンチェンジで感じるモーメントも車重のわりには落ちついたものだ。また、燃料タンクが半分くらいに減ったあたりで、車体を左右に振ったとき、ガソリンが揺れる音はするものの、それによって左右にモーメントが発生するといった症状はほとんどなかった。こういった細部の作り込みがR1300GSアドベンチャーの扱いやすさにつながっているのだろう。

Uターン時のオートマ制御について

そして気になっていたのが極低速域でのUターンだ。一般的なバイクの場合、クラッチを切ったり、半クラ(クラッチを完全につないでいない状態)にしたりしてエンジンのストールを回避する。ライダーの感性が出る部分で、オートマチック車ではどのように制御しているのか気になった。

筆者は最後の減速までエンジンブレーキが利いてくれることを期待するが、R1300GSアドベンチャーはどう反応するのか? 答えは、ほとんど気にならないレベルでUターンも可能だった。はっきり言うと、減速しながらのUターンでは最終的に時速5km/h以下になるとクラッチが切れてしまうが、そのタイミングを理解し、リアブレーキを適切に操作すれば、駆動力の変化に驚くことはなかった。逆に、停止状態からUターンする場合、安定したUターンが可能だった。このあたりの技術も日進月歩というわけだ。

そして、忘れてはいけないのが、このR1300GSアドベンチャーは「エンジンストール」しないことだ。ライダーにとっても絶対的な安心感とマージンが手に入ることを伝えておく。

アドベンチャーバイクの頂点といえる仕上がり

また、DSA(電子式ダイナミック・サスペンション・アジャストメント)の性能に加えて、フロントストローク210mmとリヤ220mmというストロークも過不足がなく、BMW自慢のフロントテレレバーサスペンションのおかげで、この大きな車体で抜群のスタビリティーを持っていることを感じた。

乗ってしまえばコンパクトに感じる乗車姿勢に加え、センターグラビティを適切に追求した車体作り、さらには最新デバイスを導入する心意気は、あらゆる意味で“KING OF ADVENTURE”として永きにわたり君臨してきた実力マシンであることを改めて感じずにはいられない試乗であった。

クルマではSUVタイプの需要が世界中で高まり、同じようにバイクではアドベンチャーモデルの人気が高まっている。実際に都内を走っていると、信号待ちなどで歩行者やドライバーからの視線も感じる。ほかの何者でもない「R 1300 GS Adventure」という、最新テクノロジーをぜひ体感してほしい。

宮城 光:モータージャーナリスト

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