寒くても要注意 年間に発生する食中毒の半数が冬に集中
ウェザーニュース / 2018年12月4日 6時20分
年末年始は忘年会や新年会、初売り、初詣など、何かと人ごみの中に出かける機会が多くなりますね。そうなると怖いものとして真っ先に浮かぶのがインフルエンザ。
でも意外ですが、食中毒も12月が最も多く、次いで1月と続きます。特に感染力の強さで知られるノロウィルスは流行のピークとなります。
乾燥が大好きなノロウィルス
厚生労働省の2016年食中毒統計資料の月別発生数を見ると、1位12月、2位1月、3位3月と、なんと寒い時季がベスト3を占めています。暑い季節には誰もが注意する食中毒ですが、実際には約5割が冬季に発生していることになります。
食中毒の原因は、細菌やウイルス、寄生虫、化学物質など。春はカンピロバクター、夏はサルモネラ菌や大腸菌などの細菌による食中毒が多いのに対して、冬は低温や乾燥した環境に強いウイルス性の食中毒が多く発生します。
特に注意をしたいのが、発生数が多いノロウイルス。例年11月から増え、12月をピークに3月まで多発します。
ノロウイルスは、食品や手指を介してウイルスが体内に入ることで感染します。1〜2日の潜伏期のあと嘔吐や下痢、腹痛などの症状が起きるとされ、特に小さなお子さんや高齢者、体の弱っている人には注意が必要です。
怖いのは、感染力の強さ。誰かひとりが感染すると食材や食器などを介して感染が広がり、学校や病院などで集団感染を起こす可能性があります。
予防のポイントは?
食中毒を防ぐには、まず手洗いから。調理前や食事前、用便後などは必ず石けんと流水で手を洗いましょう。食品の管理も大切です。カキやアサリなどの二枚貝には、ノロウイルスが潜んでいることがあるので、中心部までしっかり加熱しましょう(中心部85〜90℃で90秒以上)。魚介類を扱った調理器具はほかの調理をする前に洗い、消毒することも忘れずに。
また、嘔吐物や糞便などの汚物を処理するときには、使い捨ての手袋やマスク、エプロンなどを着用し、塩素系の漂白剤(次亜塩素ナトリウム)で消毒、処理を行いましょう。もちろん、その後の手洗いも忘れないようにしましょう。
参考資料など
厚生労働省 食中毒統計資料「平成28年(2016年)食中毒発生状況」
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