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台風1号 気象庁の監視域外へ出る 21年ぶりにサイクロンに

ウェザーニュース / 2019年1月5日 1時0分

ウェザーニュース

1月5日(土)0時、台風1号(パブーク)は、マレー半島のタイ付近で東経100度を越えたことで気象庁の監視域から外れ、「域外へ出る」扱いとなって台風では無くなりました。

ここからは監視担当機関がインド気象局(IMD)へ変更となり、既に日本時間の21時をもって「サイクロン パブーク」と認定されています。この先はマレー半島を越えてベンガル湾(アンダマン海)へ抜ける予想です。

台風が勢力を維持したままインド洋域へ出たのは、1997年11月の台風26号以来で、約21年ぶりとなります。

▼台風1号(域外へ出る) 1月5日(土)0時
 存在地域   タイ
 大きさ階級  //
 強さ階級   //
 移動     西 20 km/h
 中心気圧   996 hPa
 最大風速   23 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 35 m/s

台風がインド洋域に出るのは10年に一度程度

ウェザーニュース台風Ch. 過去台風データベースより

台風の定義は、北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在する熱帯低気圧で、低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s以上のもの、とされています。
このため、台風がマレー半島を越えてインド洋域(ベンガル湾)に出た場合は、台風では無くなり日本の気象庁での監視は終了となります。

台風がインド洋域に出るのは10年に一度程度と珍しいことで、1952年18号、1962年25号、1972年29号、1989年29号、1992年29号、1997年26号などが該当します。

太平洋を東に進み「域外へ出る」例も

ウェザーニュース台風Ch. 過去台風データベースより

台風が気象庁の監視域外から出るのは、インド洋域へ出る場合だけではありません。台風の勢力を維持して太平洋の180度経線を越えて西経域(中部太平洋域)に出る場合も「域外へ出る」扱いとなります。
この場合、監視担当機関はアメリカの中部太平洋ハリケーンセンター(CPHC)へ変更となり、強度が基準以上と認められた場合は「ハリケーン」や「トロピカルストーム」になります。

近年では2002年10月の台風23号が、台風の勢力を維持して西経域へと出ています。台風が「域外へ出る」扱いとなるのはこの時以来で、約16年ぶりとなります。
この時は、アメリカ側の解析では西経域に出る前に温帯低気圧化しているとみなされたため、ハリケーン等には分類されませんでした。

これとは逆に、西経域からハリケーン等が入ってくる事があり、数年に一度の頻度で台風になっています。この場合はいわゆる「越境台風」と呼ばれます。

国連 世界気象機関(WMO)の資料より

赤道を越えて南半球へ出ることは無い

台風は地球の自転による「コリオリの力」によって渦を巻いています。コリオリの力は、北半球と南半球では逆向きに働くため、南半球の熱帯低気圧は渦が逆向きとなります。

赤道直下ではコリオリの力が働かないため、台風が出来ることはありません。同様に、北半球で発生した台風が、赤道を越えて南半球へ出ることはあり得ません。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。台風1号のパブーク(Pabuk)は、ラオスが提案した名称で、淡水魚の名前に由来するものです。

台風の名前は監視担当機関が変わった後も引き継がれるため、今回もインド洋域で用意された独自の名前ではなく、パブークがサイクロン名に引き継がれました。

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