梅雨時期の“重だるさ”を予防する食べ物
ウェザーニュース / 2019年6月4日 6時15分
今年も既に九州南部まで梅雨入りし、関東や近畿も早ければ今週後半にも梅雨の時期を迎えそうです。
爽やかな初夏から一転、湿気たっぷりの蒸し暑い日々に、体や頭の重だるさ、むくみ、食欲不振、下痢といった体の不調も出やすくなります。東洋医学ではこの原因を、「湿邪」(大気中の湿気による不調)によるものと考えます。
今回、この湿邪を寄せつけず梅雨をスッキリ過ごすためのお勧めの食材を、源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生、瀬戸佳子先生に伺いました。
湿気による不調は、胃腸が弱っている時に起こりやすい
東洋医学では、病気を引き起こすものを「邪気」といいますが、その中には、体の外からもたらされる「六淫」(風邪、寒邪、湿邪、燥邪、暑邪、火邪)と、体の内から生じる「内生五邪」(内風、内寒、内湿、内燥、内火)があります。
そのうち、梅雨の時季の不調の原因になりやすいのが、「湿邪」と「内湿」です。
湿邪とは、大気中の湿気が口や鼻、皮膚などを通じて体に入り、体の不調の要因となることです。「湿」には重い、ネバネバしている、停滞といった性質があるため、重だるさや頭痛、頭重、むくみ、湿疹といった症状をもたらします。
一方、内湿とは主に、乱れた食生活で胃腸(東洋医学では脾胃という)が冷えて湿気が溜ることで、体にさまざまな不調が生じることを指します。たとえば、食欲不振や下痢、軟便などです。
湿邪と内湿とは密接に関係し、両者が重なることで不調が生じるといえます。たとえば、湿邪が起こりやすい時季(梅雨など)に乱れた食生活を続けた結果、不調を起こす、あるいは内湿によって胃腸が弱っている時に、湿気の多い時季が重なり不調が生じる、などです。
いずれにしても瀬戸先生によると、「食生活の乱れによって脾胃が弱っていることが、この時季の不調の最大要因です」。
胃腸を弱らせる食材とは?
ということは、蒸し蒸しする梅雨の時季をスッキリ元気に過ごすには、食生活を整え、胃腸を元気にすることが欠かせません。では、どのような食生活が良いのでしょうか。
まず、胃腸を弱らせる食材をできるだけ避けることです。具体的には「冷たいもの」(アイス、ジュース、ビールなど)や「生もの」(刺身、生野菜、果物など)、「甘いもの」(お菓子、砂糖たっぷりの飲み物など)です。
不調を感じる時には、これらを摂りすぎていないか、いま一度チェックしましょう。完全にゼロにするのは難しいとしても、不調の際は「いつもより少なめ」を意識すると良いと思います。
そして、これらの食材を控えめにした上で、胃腸を元気にする食材を摂るとより効果的です。
体の中の「湿」を汗と尿でしっかり排出する
胃腸を温め湿気を動かす食材には、香辛料(シナモン、黒胡椒、山椒、唐辛子など)、ネギ、シソ、ヨモギなどがあります。また、胃腸の湿気を取り、利尿を促す食材としては、豆類(さやいんげん、そら豆、枝豆など)、トウモロコシ、コーン茶などがお勧めです。
体に入った湿気(つまり湿邪)を上手にさばける体づくりも、この時季には大切です。それには、発汗作用や利尿作用のある食材を摂って「湿邪」を対外に排出することが大事。
たとえば、発汗を促すには、生姜や香味野菜(パクチー、シソ、ネギなど)、香辛料(唐辛子・カレー粉など)など。利尿を促すには、緑豆もやしや瓜科の野菜(キュウリ、スイカ、トウガンなど)、豆類(さやいんげん、そら豆、小豆など)、海藻類、魚の鮎や鱧(はも)、ハトムギなどが良いでしょう。
その他、気の巡りをよくする食材もお勧めです。具体的にはタマネギ、ピーマン、香味野菜(シソなど)などです。
また、温かいものを食べると発汗が促されます。温かい味噌汁やスープなどを積極的に摂るようにしたり、野菜はできるだけ加熱したものを食べたりすると良いと思います。
その他、東洋医学では、体内に溜り続けネバネバ状態になった水を「痰」(たん)といいますが、湿気に強い体づくりにはこの痰を取り除くことも大切です。それには、きのこ類、海藻類、タマネギ、ダイコンなどを摂るのがお勧めです。
蒸し暑く、しかも雨が多いこの時季。体も頭もだるくなりがちですが、そんなときこそ汗を十分にかき、胃腸を温めてあげる生活を意識して、スッキリ気分で梅雨を乗り切りましょう!
参考資料など
取材先:源保堂鍼灸院(http://genpoudou.com/)、瀬戸郁保氏/瀬戸佳子氏
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