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シミになる汗とならない汗の違いとは?

ウェザーニュース / 2019年6月28日 6時0分

ウェザーニュース

蒸し暑い時季になり、汗の量も日に日に増えているのではないでしょうか。
ウェザーニュースが行った調査によると、約6割の人が「汗っかき」であると自覚していることが分かりました。年代別で見ると、40代と50代で「汗っかき」だと感じている人が多くなっています。

汗の量が増えると汗ジミにも悩まされますが、汗のメカニズムを知れば効果的に対策できるといいます。汗の専門家である五味クリニック院長の五味常明先生に教えていただきました。

黄ばみと汗ジミはどう違う!?

「汗でシミになると言いますが、種類があります。『黄ばみ』と『汗ジミ』では、原因が異なる」と五味先生は指摘します。

汗は、皮膚付近にある汗腺で作られていますが、汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があります。エクリン腺は全身に分布しており、汗をかくことで体温を下げる役割を果たしています。アポクリン腺は、特殊な汗腺でほとんどが脇の下に分布しています。

「アポクリン腺から分泌される分泌液(汗)には、脂質やたんぱく質、糖質など多彩な成分が含まれ、いわゆるワキガ(腋臭)の原因です。粘り気があり色素も含まれているため、茶色っぽい黄ばみになります」(五味先生)

一方、汗ジミは衣類が汗で濡れた状態だといいます。

「汗は皮膚の上で蒸散することで、気化熱によって体熱を外に逃がすものです。うまく汗をかいているときは、肌はしっとりしても水分は絶えず蒸発して、汗ジミにならないはずです。

うっすら色のつくシミは、汗の成分によります。汗は、汗腺で血から血球を除いた血漿(けっしょう)を汲み上げて作られますが、塩分や鉄などの成分は汗腺で濾(こ)して血に戻しています。汗をかくのが下手だったり、ドッと出るような汗のかき方をしたとき、再吸収が十分行われず濃い汗となるのです」(五味先生)

シミを防ぐには

「黄ばみや汗じみが問題になるのは主にわきなので、汗とり用のパッドや制汗剤が使えます。わき汗は体温調節にほとんど役立たないので、この部位には制汗剤を使ってかまいません。しかし、腕や胸など広い部分にかく汗は放熱のために重要なので、使ってはいけません。体温が下がらなければ汗も止まりませんし、熱中症の危険もあります。

汗をドッとかきやすいのは、冷房の効いた部屋から暑い外に出たときなど急な温度変化があるときです。出かける少し前にエアコンを切ったり、会社ならエントランス付近で暑さに体を慣らしてから出るなど工夫しましょう。

衣類は、灰色は汗ジミが目立つが柄物は目立ちにくく、汗ジミになりやすい素材は、綿と化学繊維です。今は、ナノテクで繊維を細くするなど毛細管現象を高め、汗を吸って乾きもよい機能性繊維が多く出ています。シャツや下着などで活用してもよいでしょう」(五味先生)

汗を気にしすぎない

五味先生は、「汗を気にしすぎないで」とアドバイスします。

「緊張してドッと汗が出たり、汗を意識してますます汗をかいてしまうことがあります。真面目で優しい人に多い、精神的発汗です。わきのパッドも、汗に意識が向かうなら逆効果です。面白いもので、汗はかこうと思っても増やせるものではありません。だから、『よし、思い切り汗をかこう』と開き直るぐらいがいい。わきのパッドも、使って安心できるならよいのです」(五味先生)

汗は暑いときに体温を下げる大切なもの。あまり嫌わず、上手におつきあいしたいですね。

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