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気分が沈みがちな梅雨どき なぜ、コーヒーの香りで心がはずむのか!?

ウェザーニュース / 2019年6月25日 6時20分

ウェザーニュース

不安定な天気が続く梅雨は、気持ちが落ち込んで塞ぎ込むことが多くなるなど、精神的なストレスを感じやすい時期です。ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生は、「日射しがない、雨が降る、気圧が下がるといったことが引き金になって、気分がうつ状態になることもある」と言います。

そんな時はコーヒーを飲んでリフレッシュする、という人も多いのではないでしょうか? 確かにコーヒーに含まれるカフェインには、気分転換や集中力を高める効果があると言います。しかし、飲むだけでなく、香りにも驚くべき効果があると知っていましたか?

コーヒーに隠された香りの力について、香りの健康増進効果に詳しい杏林大学医学部名誉教授で日本ブレインヘルス協会理事長の古賀良彦先生に教えていただきました。

なぜ、その香りが好きなのか

香りの好き嫌いは人によって違うものですが、不思議なのは自分でも好みをコントロールできないことです。なぜ、人は香りに心を動かされるのでしょうか。

「多くの動物にとって、嗅覚は重要なものです。人にとって嗅覚には、大きく2つの意味があります。1つめは、食べ物を嗅ぎ分けること。今でも古くなった食品をくんくん嗅いで判断することがあると思いますが、食べられるものかどうかを嗅ぎ分けることは、生き抜くために欠かせない能力でした。

2つめは、テリトリーについて。香りによるマーキングで、自分の行動範囲を他者に知らせたり、求愛行為に役立てたりしていたのです。多くの動物と同じように、嗅覚は人の存続に関わる能力でした。

現代人にとって五感のうち重要なのは視覚、聴覚です。進化のなかで人の嗅覚は退化しました。しかし、嗅覚は理屈ではなく極めて感覚的に、情緒に働きかけるものなのです。アロマテラピーなど香りを楽しみとして活用する人は多いですよね」(古賀先生)

コーヒーの香りで脳波に変化

コーヒーが多くの人に好まれる理由にも、香りが関わっているようです。古賀先生は、コーヒーの香りにリラックス効果があることをつき止めました。

「コーヒーの香りを嗅ぐと、脳波のうちリラックスしているときに出現するα波が増えることがわかりました。その効果は、豆の種類によっても違いがありました」(古賀先生)

古賀先生は、ほかに「P300」という人の集中度の指標となる脳波を測る実験も行い、豆によって脳の働きを活性化させる効果が違うことも確かめました。

「コーヒーには、カフェインなどの成分による覚醒作用などが知られていますが、これは飲んで20〜30分くらいであらわれるもの。香りによるリラックス効果や覚醒効果はそれとは別の働きで、もっと早くあらわれます」(古賀先生)

香りの力でストレスにも

「香りは『プルースト効果』で知られているように、記憶に働きかけます。嗅覚をつかさどる脳の前頭葉と、記憶をつかさどる海馬が近いためとされています」(古賀先生)

プルースト効果とは、マルセル・プルーストの小説「失われた時を求めて」で、主人公が香りをきっかけに記憶を蘇らせたエピソードから、嗅覚から過去の記憶が蘇る現象を指すものです。この香りを嗅ぐと○○を思い出す、という人も少なくないのではないでしょうか。

「香りを上手に使うことで、気持ちを弾ませることができます。日々のストレスを解消するため、コーヒーの香りを楽しんではいかがでしょうか」(古賀先生)

どんより曇った空にエンジンのかからない朝には、1杯のコーヒーを。香りの力で気持ちを切り替え、よい1日にしていきませんか。

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